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叶山革砥 ③ (馬表革荒砥) [革砥]

先月始めに「すみだ郷土文化資料館」に行った帰りに、近いというコトもあり「カノヤマ革砥製作所」に寄ってみた。

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初めて伺った時に見た牛革の革砥、コードバンではなく牛の表革で作った革砥の荒砥と、世界で唯一となったコードバンでの革砥製作者 直海氏 が言っていたのが気になっていた。


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カノヤマコードバン#40000番を手に入れ西洋剃刀の刃を研ぎ磨き上げられ申し分の無い仕上がりとなっているが、布砥と仕上げのコードバン革砥の間に革砥の荒砥を入れると良いと言っていたのだ。

ガゼン使ってみたく、近所にある骨董屋に荒くカチカチの革砥が何本か下がっていたのは知っていたが、旅用ハンディ革砥を製作するのにあたり使うには手入れをしないとキビシイであろうツルピカ革砥3本全部ととバックスキンのような荒く分厚い白っぽい生成り色のカチカチ異色の革砥も手に入れた。多分これがカノヤマ製作所で見た革砥の荒砥と呼ばれるものと同じであろうと思えたのだ。
しかし。このようなバックスキンの荒い革砥だと刃が付か無さそうで、試しでストラッピングしてみたが案の定、いつもの切れ味チェックでは全く切れなくなった。


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カノヤマ製作所で手に取った牛革砥の白い荒砥は薄くとてもしなやかで柔らかかった。伸びてしまうのではなかろうか、と、心配するぐらい柔らかい。
カチカチ革砥とは別物だ。

そんな、疑問も有りカノヤマ製作所へ2度目の再訪となったのだ。
手持ちのいつものコードバン#2000・#30000・#40000、と今回手に入れたバックスキンの革砥の4本を持って行った。

直海氏に話をすると、牛革砥の荒砥では無く、もう作らないと言っていた馬表革の荒砥で表面など革砥としては出来上がっていたが商品としては未完成の革砥を見せてくれた。通常よりかなり長く穴も開いてなかった。
持参したカチカチの荒砥を手に取り、ダメだ と思ったのか、「待っとれ」と言って、製作過程は見られなかったが、未完成の革砥を前回買った大き目の#40000番に合わせてカットし(66×666×45)穴を開け仕上げて譲ってくれた。

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#20000・#30000とバックスキンのカチカチ荒砥は、カノヤマ製作所に普段は面倒でやら無いと言っていた、仕上げ直しに出させてもらった。カチカチ荒砥も馬の表革でなんとカノヤマ製だった。

71歳直海氏に気長に待ってくれと言われた。彼の住む東京浅草も当然猛暑続きで有る、無理はしないでほしいものだ。


今年中に仕上がれば御の字、気長に待つのも楽しみの一つだね。


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MR レザーマン

ラップを使わない人には関係ないが、使う人には直海氏は神様みたいな存在です。70過ぎてからもラップを作られてる事が奇跡みたいもですね。
世の中の理容店には埃がかぶり吊るされてる状態のラップが多く、昔を思い出して使ってみてほしいですね。
by MR レザーマン (2015-08-04 17:06) 

ヨシヒロ

近くに住んでるって良いですねー。
本当、一度お邪魔したいです。

最近ではダイヤモンドペーストや酸化クロムを使うより、早めに10000番程度の砥石に軽く当てて革砥で仕上げていますが調子が良いようです。
牛革砥の白い物は、普通の革砥の裏側とは別物でしょうか?
革砥のみで仕上げようと思うと取れたカエリ刃が革にめり込むのが気になりませんか?仕上の前にもう一つ工程を増やすのは、その為なのかなと思いました。ある意味カエリ刃取りの為にダイヤはクロムを使うのは、表面を取り換える事が出来るという意味で正解かもしれませんね。
by ヨシヒロ (2015-08-05 08:41) 

Yan-tan

以前伺った時には、白い牛表革の荒砥ラップが何本か有りましたが、馬表革の荒砥ラップという貴重な革砥を手に入れました。
仕上げ革砥とは違い、触ると ヌバック のような感じです。指の跡が撫でると付き柔らかに 起毛?してます。大げさに言えば絨毯を撫でて寝た毛の色が変わる感じです。
コレだけでも十分切れる刃が付きます。

by Yan-tan (2015-08-10 10:38) 

エミリー

はじめまして。東京都で理容師をしてます。
私もハサミ、カミソリの研磨を学んでおり、爪油を探すのに検索していたら、貴殿のブログに行き当たり、感激しました。
爪油の入手先を教えていただけませんでしょうか?
宜しくお願いします
by エミリー (2016-07-24 21:03) 

Yan-tan

エミリーさん、初めまして、返答が大変遅くなりました。
爪油(蹄油)は世田谷区にあります馬事公苑入り口に付近のスターバックス(TSUTAYA)の有るビルの3階の馬具専門店 CAVALLO(カバロ)に売ってます。
www.cavallo-net.com
by Yan-tan (2016-12-17 18:18) 

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