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ツヴィリング J.A. ヘンケルス [剃刀 雑感]

日本製西洋剃刀には大きく重いモノ(70gオーバークラス) が見当たらず、 ヘンケルスで1番大きく重い#14を手に入れた。
仕方がない、如何しても大刃の西洋剃刀で髭を剃ってみたかったのだ。


ストレートレーザーの世界で1番メジャーである、ツヴィリング J.A. ヘンケルス(Zwilling J.A. Henckels AG) の剃刀を 手に入れたので調べてみた。

ドイツのゾーリンゲンが本拠地。「ツヴィリング」や「ヘンケルス」が商標名で、双子がトレードマーク。(ツヴィリング とは、ドイツ語で 双子の意味)

創業は1731年にヨハン・ペーター・ヘンケルス(Johann Peter Henckels )が双子のマークを登録した年とされている。その後、ヨハン・アブラハム・ヘンケルス(Johann Abraham Henckels)が1818年、ベルリンに第1号店をオープンさせた。社名の J.A. は彼の名前の略である。

ツヴィリング(ZWILLING)とヘンケルス(HENCKELS)の2つは別々のブランドである。

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ツヴィリング ブランド
よく知られ、以前からあるブランドで、双子のマークで有名である。価格は後述のヘンケルスブランドよりプレミアム性の高い商品だ。

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ヘンケルス ブランド
1895年に新たに加えられたブランドで、双子ではなく1人のマークである。各国の支社がその国の料理文化に合わせた商材を展開しており、価格は前述のツヴィリングブランドよりリーズナブルに抑えられている。

今となっては ツヴィリング 製の剃刀は製造されてい無いが、世界で一世風靡した最高の剃刀を世に供給した会社である。現在も多くのツヴィリング製剃刀がネットで頻繁に取引され流通しており、数的にも品質的にも良いモノが多い。

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柄に象眼されてる双子のマークの初期は浮彫立体で、次に双子マークのみの象眼、FRIODURの文字が双子マークとともに象眼され、最後は柄にマーク印刷となっていった。
BOXも紙製の黒、アイボリー、と文字違いとタイプが多く有り、プラスチックケースも、赤、白、灰と三色あるが、文字違いを入れるとかなりの数となる。

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ツヴィリング の商標を得た剃刀はとても多く、全ては把握でき無いが。

6・8・10
11-V・12・13・14・16・17
28
30・38
42・45
50・51・55・56・59
60
70・72・72-V・74・76・78
80・89
101・106・172
250
400・401・415・451・472
574
1159
Emperor
Vacuum

ヘンケルス 商標の剃刀も有る。

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ザッと調べただけでもコレぐらいの番手タイプが有る、ナンバーは同じだが柄のマークの新旧違いや柄の色違い、峰の飾り彫りがあったり、ブレード先端に床屋の切欠きと呼ばれる凹みがあるモノも有る。刃面に色付け刻印が有ったり、金色に印刷された文字の有るプレミアものなど、刃先の形状違いを入れるとかなりの数になる。
V が付くのはベタ刃の剃刀だ、#250 はツヴィリング J.A. ヘンケルスの創業1731年だから1981年に250周年記念モデルとしてに作られたナンバーで、色違いが何パターンか有るみたいだ。
Emperor と Vacuum みたいにナンバリングでは無くレーザー名があるモノもある。
番手数字の後に1/2と付くのは、剃刀の先の形状が四角いスクエアタイプでは無く丸みのあるラウンドタイプに1/2と付く。
柄は基本的にアイボリー色のプラスチック積重タイプが多いが、それ以前はエボナイト製の黒柄で銀色双子マークが象眼されている。晩年一般的なヘンケルスレーザーはアイボリー色の柄に双子マークと Friodur と文字が象眼されており、「FRIODUR」とは、ヘンケル社がオリジナルで開発したステンレス特殊鋼の名前だ。

コレクターの方にはコンプリートしたくなる魅力あるトコロだね。

ヘンケルス #14 [西洋剃刀]

ソーリンゲン、ヘンケルス、ドイツ統一前の西ドイツ製おりたたみ剃刀 #14 番( 70g )を手に入れた。

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東西ドイツ統一が1989年だからそれより古く今より50年前の商標が柄にある、当然統一前の西ドイツ製となるワケだが、それも #14 番となるとヘンケルスの中で1番の大刃となる。
番号違いで #17 番も大きく重いがヘンケルスでは #14 番が折りたたみ式剃刀では世界最大だ。( NOSヘンケルス#14 75g ) 因みにスペイン製剃刀フィラモニカも #14 番が1番大きく重い 70g 前後辺りだ。

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大刃の良さは使って見ると分かるが、①に研ぎやすい、②に扱いやすい、③にどんな髭もズズズズ剃っていけるパワーが有る、④に刃幅があり峰の厚さはどれも大差が無いので、となると刃先の角度は刃幅があれば当然薄くなるので鋭くなる。
などなど全てが申し分無い理想的な西洋剃刀に思われる。

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細かい刃でチマチマ剃るのも嫌いでは無いが、大刃のおおらかな剃り味も捨て難い。是非手に入れた暁には、コノ大らかさを満喫して頂きたい。

早速、数時間かけて磨きと手入れ、 研ぎとラッピング にてピカピカキレッキレの刃先にし髭剃りに望んだワケだが、どんなにキレれる剃刀も扱い剃るテクニックが無いと宝の持ち腐れとなるね。

ヘンケルス #14 は優等生で下手や素人に寛容だ。道具が良いととても上手くなった気がするね、世界的にこのブランドのラインナップが売れた理由が分かる。

私の考えだが、“ 弘法筆を選ばず ” は、無いね。上手くなれば良い道具が分かるし選ぶはずだから。
筆墨で紙を相手では無く剃刀は生きた人間の皮膚を相手だから、ましてやソノ相手には感情と口が付いてるからね。

重く大きい剃刀はそれだけで魅力的だし、期待が持てる。
しばらく、このナタのような剃刀、初ヘンケルスの#14 を堪能するコトにしよう。


SK式.2 の剃り味 [髭剃り]

YouTube参考とカマボコ型砥石のおかげでナントかSK式.2を研ぎ上げるコトが出来た。

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曲線刃のV字研ぎに慣れるまでフラット砥石で何度も研いでみて、カマボコ型砥石で絶妙なV字研ぎ仕上げをしてみた。曲線の刃線全てで均等に切れ無くてはならず、そこが難しいのだ。

この5日間毎朝 SK式.2を使ってみた率直な意見として “ 曲線刃での顔剃りは難しい ” だ。

初日はアゴのあたりに切り傷を付けた、久しぶりに髭剃りが慎重になる。丁寧とは違う慎重にならざるを得ないのだ。
凸曲面の顔に凸曲線刃は顔への接点が極端に言えば “ 点 ” になるのだ。直線刃での線の皮膚への当たりイメージよりシビアな剃りになるコトは想像はしていたが、それ以上の緊張感を強いられた。

斎藤隆一氏の曲線刃西洋剃刀は頬のこけた方のタメに考案とのコト、私の頬はこけてはい無いが頬を引っ込めてこけた状態にして剃ろうと思ったが “ 危険過ぎ” と自己防衛本能が即座に働き止めた。気を緩めるとスグに斜行運行と言うより引切り押し切りに近くなるみたいだ。
日本刀刀身の反りがキレに大きく関わっているのが体験出来るR.SAITO曲線刃は是非体験してもらいたいものだ、身をもって感じるモノが確かに有る。

SK式.2でコレだから湾曲の強いSK式.1 だとかなりなコトになりそうだね。だが、顔の剃りは熟練が必要なのかもしれない、曲線刃の研ぎも含め扱いはとても全てが難しい。

R.SAITO曲線刃を運良く入手できたなら、眺めていても保有欲も満たされソレだけで最高なのだが、コレを扱えればかなり上のレベルに達したコトを実感出来るハズ!

R.SAITO SK式.2 [西洋剃刀]

以前から気になっていた斎藤隆一氏考案のSKシリーズの内のSK式.2を手に入れた。

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何と言ってもこの湾曲した円線刃で剃ってみたい好奇心と、やはりこの世界で類を見ない独特な雰囲気のデザインに心が動かされない人はいないだろう。

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手に取って見るとイメージが膨らみ過ぎてたせいか、大きく重いナタに近い剃刀のハズが、 実際に見た目よりは軽く47gしか無い。( 我が家の女子達が、“ 肉切る包丁に似てるね〜 ” っと言っていた、確かに!)
SK式.2でもこんなに湾曲しているのだから、コレより湾曲の強いSK式.1はもっと魅力的なのかもね。

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YouTubeにて理容師がストレートブレードの8の字研ぎやアールブレード第3アールと第1アールの円線刃を、平らな砥石での研ぎと研磨剤使用の平らなシルクラップでのV字研ぎをアップされてる。細く説明されていて肘を上手く使ったクイックなV字研ぎだ、仕上がりは光を当てて確認とのコト、立ち方や左手の手の置き場所等なかなかコツを掴む迄が難しく見えた。(2012/4にアップされている動画で視聴回数が現在100未満だが貴重 )
平らな砥石では難しくもなろうが、手に入れているカマボコ型砥石なら研げなくも無い様に思えた。

動画の中でストレートレーザーでのV字研ぎは刃先が砥石に当たっている時間が多くなるので気を付けないと先細りの片減りした剃刀になると説明していた。
V字研ぎはやったコトは無いが頭では分かっていただけで、動画を見るのは初めてだ。ナルホドこの研ぎ方では、注意しないと先細りした剃刀刃になりそうだった。



斎藤隆一氏 経歴
皇室の御髪奉導役(おぐしほうどうやく)を承っておられた。
1950年 理容技学の研究と向上を求め、理容指導者育成を目的として、「斎藤会」という名称で設立した。現 中央理美容専門学校 の創設者で理容の父と呼ばれる。(校舎入り口には斎藤氏の銅像が有る )。 1961年 会の名称を改めて全国各地に本部を設置し、現在では「日本理容技学建設会」略して「日技会」となる。

斎藤隆一氏考案の西洋剃刀 
R.SAITOブランドで湾曲の強さ違いのSK式.1.2.3 と有りSK式 .1が湾曲が強い。手に入れた円線刃西洋剃刀にはSK式.2と刻印は片面のみだが、調べるとSKの前にマークやロゴが有ったり反対面にはR.SAIOの刻印が有るものや、指掛けにSK式と小さく刻印の有るモノもある。柄にもマークが象嵌して有ったりと、刻印タイプは幾つか有るみたいだ。

重歳や病気などで頬や顎のこけた顔を剃るのに考案されたみたいだが、細面でも無く極めて一般的な私でも使ってみたい西洋剃刀だ。
円線刃ではKIKUBOSHIブランドにもR.SAITOの刻印が見れるが、それ以外にもアールブレードだけでは無く、R.SAITOのストレートブレードの西洋剃刀も有る。

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手に入れた状態では全く剃れず切れずで、しばらく研いでは見たものの全く切れ無い。

はて?丁寧さが足りないのかもう少し頑張ってみるか。


播州 三木 打刃物 [剃刀探索]

滋賀県から愛媛県へ出張で移動中に山陽自動車道 三木サービスエリアに寄ってみた。

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兵庫県三木市と言えば播州 三木の打ち刃物で、日本剃刀を製作している数少ない鍛治職人が現在も腕をふるっている地域だ。

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現在も三木で日本剃刀を製作しているのは、東京渋谷の金物屋「吉沢利工」で見つけた 春吉の「 銘 春吉作 」と骨董市である世田谷ボロ市にて新品5丁箱入りであった、銘「 つらゆき 」の製作者 市原清隆氏のお弟子さん水池長弥氏は 銘「 兼長 」で製作している。
三木は日本剃刀の産地だけ有り銘も多く、井上藤助作の刻印違いシリーズは多く「 八幡丸 」 などもそうだ。「 紋三郎 」は水池氏の師匠 市原清隆氏の製作によるもので、市原氏の登録銘は「つらゆき」だが、それ以外に産地の問屋などの称号や登録名を付けたモノも作っていたそうだ。「 紋三郎 」は発売元名で銘の上部に小さく 清隆作 と刻印が入っている。

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打ち刃物の三木らしくサービスエリア内でも販売していた。

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店頭ショウケースの中に目を凝らして見ると、有名な 二代目「 千代鶴貞秀 」作の 双頭刃や小刀2本組 と並んで なんと! 日本剃刀 発見!
サスガ、打ち刃物の里 播州三木! SAもスゴイ!


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箱書きには残念ながら千代鶴とは書いて無くて、播州三木と焼印入りの桐箱に入っていた。日本剃刀が2丁見せてもらったが、手打としても長さ重さ、大きさ形も厚みが全然違う、同じ人が作ったとしたならどうなんでしょう?
モノの考え方によっては一点モノとして価値が有りそうですけど、日用品であった今となっては珍しい日本剃刀に播州三木は付加価値を付けようとしているのだろうか?

手打ちの幟を立てている蕎麦屋で手打ちらしく見せるタメに麺をワザと不揃いに切ってる馬鹿げた蕎麦屋が有るが、麺の太さが違うと均一に茹で上がらず不味い蕎麦になる。手打ちをアピールするのに職人技の綺麗に揃った美しい蕎麦では無く、ナゼか不揃い麺が堂々と優先させてしまう手打ち店が有るのだろうか、それでは技術の腕は上がらないし洗練の極みからは程遠い。

ココでは日本剃刀は残念ながら土産物扱いになってる、このままだと先々魅力的な付加価値を付けてはいけ無いだろう。だが、三木市のアピールという点では良いのかもしれないね。

あれ??この剃刀には銘が切ってない?結構良い値段で売りに出ているが。

はて?? 三木にはまだ知らない日本剃刀を製作する鍛治職人がいるのかな?


髭剃りの友 の皆様へ [髭剃りの友]

おかげさまで 髭剃りの友 Blogも早1年経ちます。

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( 台風一過の琵琶湖 )

ペース的に3日に1度の更新を行ったコトになるね。
毎日髭を剃るコトで思い付いたコトや感じたコトを綴ってきたワケで、其の“ 毎日 ”というのが大切なキーワードだった様でした。
たまにでは情熱は続かないと思うし、いつか無理が来るはずで、日常の髭剃りの中でこそ見落とさず気が付くコトが大切だったような気がします。

この1年は 髭剃りの友 の “ 髭剃り ” に注目してきたが、此れからの1年は 髭剃りの友 の “ 友 ” に注目しストレートレーザーでの髭剃り愛好家の方々、ストレートレーザーコレクターの方々と知り合い情報を密にして行きたいと思っています。

海外にはアンティークストレートレーザーのコレクター用取引字引的本が3冊発行されており、私は2号目を手に入れましたが、その本に日本製ストレートレーザーは載っておらず残念な気がした。玉鋼という優れた鋼材に鍛治職人の英知を結集し日本刀を生み出した国の剃刀が紹介され無いとは、有り得ない。
ならば日本で日本剃刀も含めた日本製西洋剃刀の集大成的マニア本を出版出来たら楽しいだろうな、などと思うようになった。
日本製ストレートレーザーは日本剃刀、西洋剃刀合わせると細かくは1000種ぐらいは有りそうだが、その中で有名どころは2〜300丁だろう。
日本のストレートレーザーコレクター、愛好家の方々と知り合って、いつかはその方々とオフ会を開催し各々のコレクションを持ち寄り一冊の本を作ってみたいと思っているのだ。

ストレートレーザーでのシェービング愛好家の方々、アンティークストレートレーザーのコレクターの方々、剃刀の情報を持ってる方は連絡を下さい。

また、その時は是非ご協力を宜しくお願い致します。

higesorinotomo2014@gmail.com

西洋剃刀の重さ [剃刀 雑感]

前回、剃刀の重さの差による髭を剃る感覚の違い、剃刀を扱う感覚の違いがあるコトに気付いた。

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剃刀による髭剃り感覚の例えとして、剃れる剃れ無いだのは別として 滑らかな剃り味 が有るが、それは一体どこから来るのか?

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剃り味感覚の違いは、剃刀は何の鋼材を使用したか、両刃か片刃かでも違う。ホローグラインドも重要だ、ペタ刃とかコーンケーブの深さツマリ造りのコトだが、何と言っても最終的に研ぎに有ると思っていた。
しかし、剃刀の重さが剃り味には重要であるコトが分かった。


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手持ち西洋剃刀8丁の重さを計ってみた。

1000 H.DIAMOND. 48g
300 SANKAN. 47g
800 DAISHI. 50g
NT-77 CAPE KENNEDY. 52g
3M トキワ 岩崎. 52g
玉鋼 岩崎 ( 片刃 ). 45g
684 RED POINT. 37g
152 BULLDOG. 50g

37g〜52gとかなりの幅が有るコトが分かる。ネットで調べると60gオーバーの西洋剃刀も有るみたいだが、良く調べればもっと重いものもあるのかもしれないね。

因に日本剃刀には重さ違いで、半丁掛け(約30g以下)、一丁掛け(約30g)、二丁掛け(約43g)、三丁掛け(約60g)、四丁掛け(約73g)、五丁掛け(約90g)、と、何丁という数字で重さが分けられてるみたいだ。
因みに五丁掛けのサイズは(カッコ内一丁掛け)長さ19.0cm(15cm)、刃長6.5cm(4.5cm)、刃幅3.0cm(1.8cm)、とカナリでかい。
(柄の大きさや長さ、峰の厚み等で剃刀の大きさ重さは前後する)


う〜〜む 重い西洋剃刀を使ってみたくなった。

平和島全国古民具骨董まつり [剃刀探索]

通称 平和島骨董祭、是非行ってみたかった西日本最大規模の室内での骨董市なのだ。

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今回で通算158回目の開催となり、全国から280店の業者が1300坪の会場に数十万点以上の骨董を持ち込み、GW中の3日間で約4万人 の入場者の見込が有るらしい。

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GW中なので電車か車かで迷ったがアプリ渋滞情報で都内ガラ空きとのコトで車でナビ通りに30分で行けた。心配した駐車場もスンナリ入れた。

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アレレ? 空いてる? 意外や会場内はノンビリしてる、バーゲンセールでは無いのだが、我先にお宝をゲットしようとして血眼になってる人やガツガツした人がいないのだ。

私みたいなシロウトが骨董市に行くと、一点モノが多いガラクタの中から価値あるものを見つけ一攫千金的な雰囲気でモノを見て欲の皮がツッパってしまい、どう見ても何の変哲のない壺に先々価値が出そうとナゼか思えてきたり、この茶碗が買ってもらいたがってる呼んでいるなどと雰囲気にのまれて気が狂い、ガラクタを買ってしまう摩訶不思議な空間なのだ。

骨董市の楽しみは何と言ってもお宝探しだが、趣味で骨董品を集めてる人には見る眼を養い教養も身に付き、店主と情報交換ややり取りを楽しんでるのが分かる。

ココは歴史ある骨董祭なので出店している骨董店の店主もシッカリしており、雑多なモノが少なくディスプレーも綺麗で高価なモノも多い、実際モノが良さそうであった。

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目指す西洋剃刀は入り口入って幸先ヨク2軒目で見つけ期待が持てた。
剃刀は8丁見つけ、その内6丁が西洋剃刀。別珍のケース付き綺麗な小さい西洋剃刀も売りに出ていた、とても安く500円で持って行ってくれ的な売り方で迷ったが購入は見合わせた。ネットオークションではストレートレーザーの取引が活発だが骨董市などでは剃刀の人気は無いみたいだね。
今回、魅力的な西洋剃刀に残念ながら出会えなかった。

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外国の方も多く時代の流れ通りココでも店主やお客が話す会話の中国語が至るトコロで聞けた。翡翠、珊瑚、特に象牙は多く目に付いたがマッタク眼中に無し。

天気に左右され無い室内の骨董市は、雨天で開催とか中止が無いので安心では有るが、やはり屋外でテントを張りモノをキレイに並べてたり、ビニールシートなどを敷いただけで商品を並べる青空骨董市の方が雰囲気が有ってヨイね。

玉鋼 ㊂ 岩崎 ② [剃刀 雑感]

㊂ 岩崎 3Mトキワ を1ヶ月使ってみて分かったのだが、前に使っていた似た形状の谷藤や林に比べやや剃刀自体が重く感じるセイなのか剃り味が気持ヨイ!

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多分微妙な数gの差なのだが、それが剃り感に影響するのだろう。

大きく重い剃刀はヒゲの濃い人や多い人用的に紹介されている。
私は髭モジャでは無いのだが3Mトキワの剃刀は使い易かった、重いのが好みなのかも知れないね。

今迄は2ヶ月で西洋剃刀の交代だったが、日数的に早いが今月から 玉鋼 ㊂ 岩崎 の出番とした。3Mトキワに比べ軽く刃線の長さも半分ぐらいしか無いし、手持ちの中でも剃刀が軽い方だ。

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刃は日本剃刀式で西洋剃刀の様に折りたたみ式の柄が付いている 玉鋼 ㊂ 岩崎の特別仕様みたいだ。
何が楽しみかと言うと、先ず 日本剃刀式の刃で剃るコトで、剃刀の刃の造りや研ぎ方もかなり違うみたいだし、やはり何と言っても三条製作所 岩崎氏が鍛えた玉鋼 剃刀を使い髭を剃るコトがとても魅力的だ。

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これを使うタメに、この数カ月剃刀の刃の片面だけで剃る練習をして来たし、それだけ片刃の剃刀に思いを馳せてきた。

謎が多い片刃の日本式西洋剃刀は、両刃とは違う片刃なりの剃り方があるのか? 刃の裏と表では剃り味が違うのか? 研ぎ方はどうなんだ? ラッピングは?

などなど、楽しみが尽き無さそうだ。

革砥の手入れ ③ [革砥]

以前、革砥の手入れ ② にて何だかスッキリしなく モヤモヤしたまま今に至るワケだが、岩崎航介著 「 刃物の見方 」 にて革砥の扱い方が端折られていたタメで、何が正しいか? が謎?であった。

思いがけず、岩崎航介氏の新聞記事を目にすることが出来た。
公衆衛生新聞社発行の昭和37年2月15日付け環境衛生ニュースに 「 レーザーと日本剃刀の研ぎ方 」 という内容の執筆記事だ。「 刃物の見方 」の初版は昭和44年2月10日だ、つまり随分前に革砥に付いての確かな考えが有ったのだろう。

50年以上前の記事で著作問題もうるさく無さそうだし、内容が素晴らしいのでチョイと載せてみる。
謎?であった 革砥 に付いての記事が多く有り、「革砥 」「 革砥とズックの手入方法 」 と 「 ラッピングの原理 」「 ラッピングの掛け方 」中でも とても唸った記事が 「硬い革砥を軟にする方法」 だ。

硬い革砥を軟にする方法
1 洗面器の中に水を入れ、金具を外した革砥を中で充分に揉み上げる。水中から取り出して、しごいたり、揉んだりすると革砥は軟になる。
2 濡れたまま板の上に置く、革砥が薄いと昆布の様に縁が縮むが、ビール瓶で擦れば平なる。
3 くねくね曲がったら、二枚の板に挟んで両側から押し付けて、真直ぐにする。
4 濡れた革砥の表面から、牛の爪油を塗る。
5 二三日陰干しすれば軟になる。
6 油を多く塗り過ぎたなら、水中で静に揉むと、爪油だけは、水に溶ける性質があるので、水中に溶け出る。
と、詳しく有った。

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先ず、革砥手入れの謎?に対しての衝撃だが、馬の尻の革であるコードバンに馬油で無く 牛の爪油? ってトコだ! 調べると爪油の種類の中には時計の機械に差す油も有るのだが、使用目的に多いのは革の製造段階でしなやかにする保湿剤として使うみたいだ。爪油のネーミング通り現在も馬のヒズメの手入れにおいて乾燥を防ぎ潤いを与える保湿剤でも有るらしいのだ。
油といっても水溶性だから普通イメージするアブラとは違うのだろうね。

ネーミングが馬の爪油では無く牛の爪油だし、馬革コードバンに与えるのだ。ましてや牛から原料は取って無く牛の爪とは無関係だし、も〜ビックリした。

まだまだ革砥に付いての興味深い記事が有り、「 革砥とズックの手入方法 」 の中に、革砥の油抜き方法 なる記事が有り今後実証実験しながら感想を述べていこうと思うが、この記事を読んで暫くの間、あまりの衝撃で何時もの研ぎが出来無くなる程だった、この記事は私の中で剃刀研ぎのバイブルとなるだろう。

カマボコ型の砥石 [研磨 砥石]

ココんトコロずっと気になっていた 平では無い砥石 カマボコ型の砥石を手に入れた。

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砥石の平な面が狂うと研ぐ刃が直線では無く意図した蛤刃でも無く刃角がヌルくなるから砥面には気を付け無くてはならない。基本の基本どの包丁研ぎの本にも同じコトが書いて有る。

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では剃刀ではどうだ。R刃線、曲線刃を研ぐのも真平の砥石が良いのだろうか? そこが疑問でもあった。

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マズ疑問なのは、3D曲線の顔を剃るのに西洋剃刀は真っ直ぐすぎないか?使える刃線はその5分の1ぐらいか、だから、そんなに刃線は長く無くても良いのでは、と思っていた。
案の定、プロである理容師のオリジナルであろう西洋剃刀の刃先を半分に切って取り回しをよくした西洋剃刀を見つけた、3分の1ぐらい刃尻側の刃を削った西洋剃刀も有る。

以前から気になっていたのだが、過去海外の剃刀には緩くラウンドした刃線の西洋剃刀が多く有ったみたいなのだ。
その剃刀は斉藤隆一氏考案の頬のコケた顔を剃るための曲線刃剃刀とも違う気がする。曲線刃が持つ姿形の美的感覚か? 又は実用的に考え曲線刃には引切り効果が有るのか? などと考える。
現在も海外では大量生産では無いがスペシャルな円線刃の剃刀が造られている。
(完全に剃刀の美的感覚が実用を上回ってる気がするが)

日本にも現在円線刃も手掛ける鍛冶職人がおり積極的にイロイロ試されてるみたいだが、ほとんど日本剃刀タイプで今の私の琴線に触れないので残念である、やはり折りたたみ式剃刀が私は好きなのだ。
西洋剃刀タイプもそこには有るには有るみたいなのだが、どうやら一点モノの特注品みたいだ。
先々自分なりに剃刀とはナンゾヤが分かり使いたい剃刀を知ったなら、西洋剃刀タイプでオーダーし究極を手に入れたいモノだ。

ソレらを研ぎ上げるのにはRの付いた刃線の中華包丁を研ぐのと同じとははチョット違うような?
反りのある日本刀を研ぎ上げるための砥石は色々と有るが、その中でも同じカマボコ型が良いのでは思うようになった。
(反りが有る日本刀は蛤刃なのだが西洋剃刀の蛤刃は見たことがない)

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カマボコ型の砥石で8の字研ぎをすると理にかなっているのがヨク分かる。

西洋剃刀での髭剃り [髭剃り]

西洋剃刀での髭剃りにはイロイロと楽しみ方がある。

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第1に、西洋剃刀選びが有る。
アンティークショップや骨董市でお気に入りを見付け偶然の出会いを楽しんだり、ネットオークションにて数多く国内外の西洋剃刀は沢山出ていて選び放題だ。コレクションという楽しみ方もあるし、お気に入りの西洋剃刀を眺めるのもいいね。

第2に、手に入れた西洋剃刀のルーツをネットで調べたりするのも楽しく、今は無いメーカーやブランドを調べて見付ければ知るほど剃刀に愛着がわくハズ。

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第3に、その剃刀をピカピカに磨き、また、スゴク剃れる刃に研ぎ上げる楽しみが有る。
研ぎ上げ磨き上げるための砥石や研磨剤などの道具を選んだり剃刀に合うラッピンググッズを見付けたりするのも面白く、研ぎのウデが上がれば上がった分切れる剃れる刃に感動し研ぎの奥深さに出会うと思う、楽しみは尽きない。

第4に、自分の髭を剃るテクニックを上達させる楽しみがある。ツルツルピカピカの肌で今日も完璧と思える朝を迎えるコトが出来る。お気に入りのスキンケアグッズを揃えて気持ちの良い1日をスタートさせる、最高ではないか。


男なら人生の終わりまで髭を剃る、楽しく剃りたいものだ。



凸R 刃線の剃刀 [剃刀 雑感]

剃刀を研げば刃線は直線になる。当たり前だが砥石は真っ平ら 平面出しをどの参考書や文献をみても砥石は真っ平らが基本らしい。

やまと古民具骨董市で購入するか迷った気になった剃刀が有って、刃線が直線では無く凸Rが付いているのだ。


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左から SK1・SK2

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SK3

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135 KIKUBOSHI


世界で類を見ない日本製の曲線刃と言えば 斎藤隆一氏製作の R.SAITO のSK1.2.3シリーズと彼のイニシャルであるRSがくねった独特の柄に象眼されていて、取っ手にはRS SK3と刻印がされた4パターンと、KIKUBOSHIブランドでR.SAITOの135と165の計6タイプ が 現在ネット上で確認できる。
骨董市で見付けたのは極端なR凸曲線では無く、SK3や135KIKUBOSIのR900位の緩やかなRだ。

3次曲線の顔を直線剃刀で剃るのは頭で理解してるし、引切りの切れ味も包丁で確認している。
しかし、3次曲線の顔面に凸刃線の剃刀を当てたらと思うと理にかなってる気持ちが強くなり、どうしても試したい。

それと、その凸R刃線剃刀を研いでもみたい。
その剃刀を研ぐには砥石もカマボコ型の凸R砥石が合うに違いない。
R砥石は手持ちには無いが前回行った骨董市に売り出ていた砥石の中にRの付いたカマボコ型の砥石を見付けている。なんだ?と思っていたが剃刀の刃と砥石の接点が線と点で研ぐ為デリケートな刃を研ぐにはもってこいかと思う、ましてや凸Rの付いた刃線の剃刀はこの砥石でないと、とも、思う。

凸R刃線の剃刀を使い剃ってみたいものだ。きっと目からウロコのような気がする。


髭剃りのダンディズム [髭剃り探究]

西洋剃刀によるシェービングという酔狂で美しい趣味を持つコトは、その人の余裕や自信となって素敵なダンディズムを香らせる。

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ダンディとは、本来の意味も有るのだろうが今の時代はオシャレをする、シャレ者のコトをさす言葉となっている。
オシャレをするとは、そうでは無い者にとって財産の浪費と時間の空費になるワケで、効率や生産性ばかり追い求めてる者には到底理解できないコトだと思う。

無駄が生きていく上で人生を豊かに魅力的にしたりするコトが多いが、無駄を省いた生き方がシンプルでクールだと思う者もいる。

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髭剃りに対しての価値観の違いではあるが、毎日のシェービングタイムを無駄だと思うか、粋な趣味として楽しむのかは考え方次第だね。
朝から無駄だ面倒だとネガティブに毎回思う一日のスタートと、お気に入りの道具に囲まれ “今日はどれで剃ろうか” 等とワクワク楽しく一日をスタートするのとでは、自ずと生き方に差が出てくるモノだ。

シェービングにいつもよりチョイと多く時間を割くだけの余裕がとれれば、心にゆとりが生まれソレが表情にも現れるハズ。

魅力的でダンディな男になるには、まず朝から自信の持てる顔にならなくてはね。


684 RED POINT [西洋剃刀]

先月、やまと古民具骨董市にて一目で気に入り西洋剃刀8番目に手に入れた初海外物のSOLINGEN製 684 RED POINT RAZOR だ。

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RED POINT はネット上にて30丁程アップされてる全てのRAZORが海外のサイトでの確認で、日本のサイトにRED POINT のRAZOR自体アップされていた形跡が今のトコロ無い。

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917REDPOINTが柄の色違いも有るが大半で、他に918REDPOINT、HOFFRITZ、UTICA KNIFE&RAZOR CO、WR.CASE&SONS.BRADFORD 、Kinfolks、などの刻印がもう片面に有る。

手に入れた 684 RED POINT のRAZORは海外サイトで1丁見付けたが、メーカー自体が80年前には消滅しているみたいなので、手に入れたほぼ新品箱付きとナルト大変貴重なRAZORとなるね。

RAZOR自体に品が有りコンパクトでブレードはCarbon(炭素鋼) Wショルダーで、薄く造られたコンケーブが美しく、形は柔らかなラウンドtypeだ。
綺麗に真鍮で象嵌された商標に丸く赤いペイントされているハンドルはCelluloid と海外のサイトでコメントが有るが時代的にもその様だと思う。

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手に入れたRAZORのブランド RED POINT は MADE IN GERMANY だが、MADE IN USA の REAL RED POINT というソックリ商標のRAZORが存在する。

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RED POINT は、SolingenのアントンWINGENジュニア によってユーティカナイフ&レイザー社の商標だった。

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REAL RED POINTは、1924-1935に、ニューヨークの209ジョンストリートにてユーティカナイフ&レイザー社の商標だった。
製造工場はPlattsburgでニューヨークに有り、パルカトラリー社が行ってきたみたいだ。峰を上から見て取っ手左にRAZOR名の REAL RED POINT が刻印されており、右側には「ジャガーサプライ株式会社スプリングフィールドイリノイ州。MIG」と入っているものも有る。

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( 商標の上に REAL の象嵌文字が、私が “ ホンモノ ” って意味か? )


Solingen製もUSA製何方もユーティカナイフ&レイザー社の RED POINT 商標を使っており、コレは商標は何方が先かでもめてる 本家と元祖 みたいなコトですかね。

包丁入門 [剃刀 髭剃り 本]

「髭定」の 加島健一 氏の書かれた「包丁入門」を本屋で見つけた。

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ネーミングに惹かれたが「髭定」と言っても髭剃りのヒゲとは全く関係無くてアレレだが、阪神梅田本店の地下1階「 阪神髭定 」鮮魚売り場のバックヤードで毎日百キロ以上の魚介をおろしているのが 加島健一 氏だ。



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紹介には、「刃こぼれしにくい強い刃を求めるのか、キンキンに切れる刃を求めるのか、使い手次第で切れ味は違ってくる。自分好みの刃をつけるにはどうしたらいいか?」などと、有る。
チラ見で良さそうなので買ってはみたが、ジックリ読むと確かに今迄方々でバラバラに学んだ研ぎの総集編であり買って良かった。

髭剃りではどうだろうか? 剃刀の刃でもミクロン単位での 刃こぼれ は研いでも使っても起こる、研ぎによる強い刃は欲しいしスパスパキンキンに剃れる刃もゼヒ欲しいところだ。

優秀な良い鋼材を厳選した腕の立つ先人達が鍛えた貴重な剃刀を、砥石の知識も無く剃刀研ぎに対しゼンゼン技量も無いド素人がその先人達の優れた剃刀の剃り味のキモとなる大切な最終仕上げをするとは、マッタクお話にならないとの思いがあった。

ストレートレザー 研ぎの指南書、専門書が有れば良いのだが世の中には無く包丁研ぎの指南書で 何かヒントを との思いで今回も購入し読むしか無いのだ。
いつかは剃刀研ぎを極めて優秀な先人達が鍛えた剃刀を自在に扱ってみたいものだ。

現在ネットとYouTubeにて ストレートレザー をいろんな考えで方々が研ぎ方をアップされているが素人には何もかも有り難く全てカナリ助る。


㊂ 岩崎 3M トキワ ② [剃刀 雑感]

桜満開の時期となり、2カ月近く使っていた谷藤製CAPE KENNEDY NT-77の次、岩崎3Mトキワ の出番となった。

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西洋剃刀1丁を、ほぼ毎日2カ月間ほどかけて剃り味をジックリ味わうワケだが、今迄4丁使って見て、谷藤福太郎製CAPE KENNEDY NT-77は問題無く優等生だ。研ぎやすくキレイに刃が付き、間違い無く気持ち良く髭が剃れる。

最初に手に入れた林市太郎製1000H.DIAMONDと比べると、全てが凄く似ているのだが不思議と違う剃り味なのだ。顔半面づつ違う剃刀で剃り比べをしてみると良くわかるのだが、ナントも面白い。





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今月に入り岩崎重義製3Mトキワを使い始めた。
コレもまた同じような仕様でとても似ているのだが、前2丁と鋼が違う様な気がする。
3丁とも炭素鋼ではあるが 3Mトキワはスウェーデン製のハイクローム鋼では無いような?? はて?
研いだ感じも違うし、剃った肌の当たりが違うのだ。
逆蛤コンケーブの肉の厚みが反ったRと共に微妙に異なり、刃線の造りが鍛冶の段階かコンケーブRの研磨の段階で違うのか、各々ブランドによって独特の味付けをしているようだ。

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(左から、林、谷藤、岩崎 )

好みと言ってしまえば其れ迄だが、本当に微妙なのだ。

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コレから2カ月間ほどは、岩崎3Mトキワを使っていくワケで、とてもワクワクしている。
誰もが認める岩崎の剃刀をアアでも無いコウでも無いといって研いで研いで剃って剃って堪能するのだから愉しい日々が続きそうだ。


柄のキズ消し [研磨 砥石]

骨董市で手に入れた練習用西洋剃刀のエボナイトの柄はキズも多くツヤも無い、ましてやカタカナで名前も刻まれている。

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柄のエボナイトとは広い意味でプラスチックというコトで硬いわけではなくキズも付きやすいが逆に言えば直しやすいのだ。

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キッチンにあった鍋の焦げ付きを落とす “ ヤスリたわし ” が#500番手位で使いやすそうなので柄の全体をゴシゴシすると、すぐに文字時も消えキレイにツヤケシ状になった。同じ所ばかりコスリ過ぎると窪んだりするので均一に研磨する

3Mスポンジ研磨材で磨いて整えピカールで仕上げたが完璧とまではいかない。

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プラスチックの研磨で調べていくと、プラモデルのハセガワから研磨用が出ており近所のモデラー専門店でプラスチック専用研磨剤とポリマーコーティング剤、専用布を手に入れた。

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遠目では問題無く納得の仕上がりだが、光を当ててよく見るとデコボコが分かる、ツヤ消しの段階では微妙な凹凸が分からないのだ。

下地作りをもっと丁寧に、研磨材を細かい粒度へと段階的にすればパーフェクトだろう。


日本橋木屋 の砥石 [研磨 砥石]

先日粒度#800番手の日本橋木屋の中砥石を購入した。

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前に三軒茶屋の「 土田刃物店 」にて粒度#150番手の荒砥石も購入したので今月は2つ目の購入となる。
砥石の手持ちをいえば、人口砥石の #150・#800・#2000・#8000 と天然仕上げ砥石が2つというところだ。

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コレで包丁を研ぐには問題の無いラインナップとなった。

実は、我が家の包丁研ぎ係に任命されチョチョイ研いでいたのだが、何日か前に包丁の切れ味に「キャベツがよく切れてザーサイが切れずらい」とクレームが付き、コレではイケナイと調べると。

日本橋木屋本店、研ぎのスペシャリスト小野伸二による
「包丁の研ぎ方教室」

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をネットで見つけ、習いに行くことにした。限定の少人数制で、生徒2名で1時間の講習となった。
包丁の次に砥石の説明、小野講師の目からウロコの講義の後に実技となった。またココでビックリ発見! というのか考えればその通りですね〜って感じなのだが、今までのYouTubeやネットで調べたり専門書を読んで変に凝り固まっていたが、キメるとこをを決めれば後は意外と研ぎ自体自由であるコトを知った。
刃の角度が絶対的な以外、カエリの取り方前迄は自由で、考えてみればソリャそうだ。

キッチンシンク下の奥にしまってある以前使っていたヘンケルスの三徳包丁と砥ぎ練習用柳刃包丁の計2本を持っていった。講習会の砥石は荒砥、中砥、仕上砥の3つ用意されていたが#800の中砥のみで実技は進んでいった。

とても勉強になったのは刃の角度と刃の裏表で普通均等で研ぐが、必ずしもそうじゃなくても良いというコト。砥石表面の良い状態とわ についてや、砥石に当てる力を抜くの意味 も習った。押しても引いてもどちらで研いでも良いのだそうだ。
なるべく刃線に近いところに指を置く、4〜5カ所刃線を分けて指を置く、砥石で研ぐ進行方向に対し刃線は45度なんてコトは言わずに、研ぎやすい角度で研げば良いのだそうだ。
切っ先に向かい刃のRを研ぐ時は刃尻をやや上げるていく、カエリが出てからが大切、カエリの取り方で切れ味が変わる。
まだまだ習ったコトが有ったのだが、盛り沢山でとても有意義な時間だった。
大切な切れる包丁とは、のコツが少し分かった。

あっという間の講義だったが内容は濃くスキルもテクニックも数段上がった、やはり実際のトコロ教えるプロに習うと上達は早いし、的確だ。

と、いうワケで 日本橋木屋の実習で使った#800砥石を買ったのだ、コレでザーサイもサックサク 。 のハズ!

152 BULLDOG [西洋剃刀]

やまと古民具骨董市にて手に入れた7本目の西洋剃刀は “ 152 BULLDOG ” だ。

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砥石や革砥での研ぎ練習用の西洋剃刀がとても必要でずっと探していて、なかなかコレってモノがなく難儀していた。

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練習用として探していた西洋剃刀が、刃は新品に近い程よく、スウェーデン鋼で、よくあるホローグラインド逆蛤がベストだ。
そして、大切なのは長く使えて基本とも成れるべき練習用なので愛着のあるブランドネームも必要だ。

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西洋剃刀の刻印によくあるSILVER STEELだが銀鋼と直和訳しかなく鋼は何だかよく分からないが当然ケミカルな炭素鋼だろう。WAPPANTED とは 「保証する」 とあるが、何を?ハテ〜ナ?


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BULLDOGの刻印は谷藤福太郎氏のブランドとフォント違いでSolingen製のブランドに見られる。谷藤の刻印が有る西洋剃刀FAVORITの取っ手のもう片面には全く同じで SILVER STEEL WAPPANTED の刻印が見られる。谷藤製西洋剃刀のブランドネームは多いがコレも関係が有るのかな?
FULLY WAPPANTED とは 「 完全に保証する 」だ。裏表でココまで保証されると もう何だか分からないが安心?になるね。

BULLDOG ” は以前我が家で飼っていた30kgにもなった犬種で、常に手に取るにはピッタリのネームだ、見つけた時は小躍りしてコレしかないと思った。

チェックすると、刃線中央辺りに裏表に錆がかたまって有る、後は汚れだが気になるほどでは無い。
黒のエボナイトの柄には深くカタカナで文字が刻んで有り、気分的に乗らないのでいつかは消したいトコロだ。

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マズは、刃線中央の錆だが、“ 3Mスポンジ研磨材 超極細目 #1200〜1500 ” と“ ピカール ” 金属磨き、研磨台座として紙ヤスリ用のゴム台座と5cm位のゴムチューブ。

3Mスポンジ研磨材をハサミでカットしゴムチューブに巻くとホローグラインドの反りにゴムチューブの丸みとスポンジ研磨材がピターっと合いドライでゴシゴシするとスグに錆はほぼキレイに取れ他の鋼材部分のツヤもそれ程損なわない、コレはオススメの優れモノだ。( ドライとウエットで粒度が変わる )
ピカールは剃刀の硬い鋼材を磨くには時間が掛かりあまり役に立たない。

やっと気に入った練習用西洋剃刀を手に入れた、コレからいろんな砥石で研いで基本の剃刀となれるかだが、楽しみだ。


切り出しナイフ [研磨 砥石]

骨董市で手に入れた切り出しナイフで、鋼と軟鉄、砥石との相性などテストしてみるコトにした。

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調べると、切り出しというのは、元々大工が木材を加工するために使っていた道具だ。木材を切るという目的のために作られたものなので切れ味は鋭く、刃先は非常に薄く鋭いものが一般的だ。

市販の切り出しは、柄鞘なしと柄鞘付きがあり、鞘なしのものはハガネがたっぷり長く付いていて、研ぎながら長く使える。
また、このタイプは高級品でも見られ、価格設定も無くなり美術品の世界に限りなく近づく場合がある。

切り出しの柄鞘付きは刃物との相性のいいホオノキの材を使用するのが通常多く、刃物本体は短くて柄に中子で差し込むタイプで、千円程度のモノであれば使用上は問題無い。

このように元は大工道具として誕生した切り出しだが、構造の単純さから作るのが簡単で、安全に使うことができて、更に切れ味も抜群であったことから、大工と関係のない一般家庭にも広く使われるようになった。

今日にいたっては、小型の刃物でありながら工夫によって見た目の美しさを追い求めることができ、コレクターズアイテムとなっている。



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さて、手に入れた切り出しナイフだが、サッビ錆のカッケ欠けだ。

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だが、錆び欠けの柳刃包丁に比べればアッという間に研ぎ上げるコトが出来た。お手軽さは確かに大工道具が一般に広がったワケがうなずける。切り出しでエンピツを削った覚えが無いが、子供の頃家には切り出しが有った。

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裏スキもシッカリあったが研いで見て、アチャ〜〜!
この時点で研ぐのは止めた、ココからがアレコレと砥石のテストになるのにね残念。この先砥石ではムリでグラインダーが必要だ。
購入時マッタク気付かなかったが、切っ先の鋼部分にヒビが入っていて今にも折れそうだ、骨董市でよく見かける切り出しナイフは切っ先が折れているものも多い、欠けやすいんだろうね。

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( 登録商標 と フンドウマークの中に 豊◯? )

時間があれば欠けを取りしっかり刃を付けてみたいが、このままでも十分スゴく切れる、銘も切ってあり全ては読めなかったがアレコレと解読し思いを馳せた分楽しめた、購入価格¥100にしては申し分無い。


やまと古民具骨董市 [剃刀探索]

正式名は “ やまとプロムナード古民具骨董市 ” と長い。

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神奈川県大和市で小田急線大和駅の東口と西口に広がる公称300店の骨董店が月に一度第3土曜日に集まる。

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( 刃物や工具の売りは多く、鑿、鉋、鋸、玄翁、和釘、特殊鉋も多い )


彼岸、河津桜も満開となり、日中暖かくなってきたので西洋剃刀の探索に出かけた。
今まで出掛けた骨董市の中で規模が1番大きく出店数も多い。東口エリアではアイドルのコンサートもありお祭りみたいだ。

急遽前夜に計画したので朝からモタモタしていて大和駅到着はお昼になっていたが、以外と近く家から1時間もかからなかったのでもう少し早く来ないとね。(骨董店は店じまいが早く15時になると片付け始める)

西口から始め軽く1周してみて当たりを付け2周目で目ぼしい店に突入、西洋剃刀9本、日本剃刀4本、を西口エリアで見つけられた。

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( デッドストックのシェービングカップやシェービングブラシなども発見 )


砥石で思い存分研いで見たいし、手慣らしの剃刀がやはり必要だ。
砥石でのテストもお気に入りの西洋剃刀では恐る恐るになってしまう、全開でバリバリやってみたい、そう!テスト用の西洋剃刀がやはり絶対必要なのだ。

今回の骨董市目標は、練習用西洋剃刀の入手だ。


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良さそうなのを見つけた!何処のものだか分からないが “ BULLDOG ” というネーミングが気に入った西洋剃刀だ。
刃幅も十分で余り使用されなかったモノみたいで、刃も部分的に錆びてはいるがサビ取りも練習だし、黒のエボナイト製の柄に持ち主の名前が彫られているが消すのも練習なのだ、ブランド違いのケースも付いてきて¥1000だったが、必要な練習用だしそんなモノだろうと交渉なしでスンナリ購入した。

他に、珍しいと言っていた本象牙の柄の西洋剃刀や、薄い鋼を挟んだ造りの日本製ランギーレザー、サビサビのアラビア風刀マークのSolingen、ピカピカでキレイな番号なしヘンケルスなどがゴソっと出て来た。
店主はヘンケルスがお勧めらしく、曰く、“ 柄は象牙ではなくプラスチックだが、人間が2人のマークは古いモノなんだ、新しいモノは3人なんだ ” 何! ナニィ〜この店主ムチャクチャ言うなぁ〜ヘンケルスで3人マークなら即買ですよ、逆にね、そこはグッと飲み込んで、象牙の剃刀も半額にプライスダウンしてくれたがおかげで気分がマッタク乗らなかった。

日本剃刀も有ったが4本中3本は良く分からない名前のモノで、有名な “ イヤデモ切レル ” も う〜む 魅力的には見えなかった。

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切り出しナイフを以前から1本手に入れたく見て来たが、今回も数多く見ることができた。
そこの中はどれでも¥100と言われたので大小切り出し3本の内1番大きいヤツを購入。もうコレで切り出しナイフでモヤモヤ気分が消えた。( 切り出しは砥石のチェック用で今となってはテスト用包丁があるのでどうでも良いのだが )



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西口エリア3周目の帰りがけにキレイな剃刀ケースを見つけた。1周目2周目では気が付かなかったが、ガラスケースの中に入っていた。

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Solingen製 で “ RED POINT ” というブランドだ。ケースも綺麗だが中の西洋剃刀はもっと綺麗だった。今回練習用以外西洋剃刀を買う気はマッタク無かったのだが、あまりにも綺麗なので値段次第とばかり店主とネバって交渉したが、どうしても負からず最初の値のまま購入となった。図らずも8本目の仲間入りは初Solingenとなったが、また楽しみが増えた。
やはり、欲しいモノの探索にジックリ3周はしなくてはね。




反対側の東口エリアに出ると骨董店が駅から200m以上は軽く伸びており先が見えない往復400m以上有る、14時辺りになっておりこの時間は店をパタパタ閉めだす店も目立ち始め、急ぎ足に。

東口エリアでは1周しか出来なかったが箱付き西洋剃刀2本を見つけることができた。

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どちらも綺麗なSolingen製の西洋剃刀で、1本はやや刃自体が反っていて緩やかな円形刃となっていた、気になり迷ったが円形刃を手に入れるなら斉藤隆一氏のR.SAITO SKシリーズでしょ と思いパスした。

今回の入手目標をクリアし、それ以上に切り出しナイフとSolingen製西洋剃刀を手に入れるコトにもなり、大和駅前の焼き鳥屋に明るい内から1人で入り満足満足〜〜

究極の髭剃り ② [髭剃り探究]

髭を西洋剃刀で綺麗に剃るタメには? と考えると。
先ず考えるのが、よく剃れる西洋剃刀であるコト。

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今迄のT字多重刃カミソリはどれもこれも剃れるのが当然の中で、カミソリ自体の性能と能力で選ぶのは少数で、どちらかというと、使う人に合うか合わないかじゃないだろうか。

西洋剃刀は合うか合わないかではなく、自分の好みに合うように研ぎ上げるのだ。ましてや1枚刃そのものが髭を剃る全てとなり、その剃刀を研ぐとなると、西洋剃刀の刃のタイプや鋼材、多数有る砥石やラッピングをチョイスするスキルが必須となる。

当然だが、剃れる刃と剃れない刃は直ちに顔面結果で現れるからだ。


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次に大切なのは、剃るタメのテクニックだが。
その前に、シェービンググッズを吟味し、プレシェーブの充実を計らなくてはならない。

プレシェーブは髭を上手く剃るために絶対に疎かに出来ないスキルのひとつだ。

先ず髭をぬるま湯でぬらしシェービングオイルを手のひらに取り両手でフェイスマッサージを丹念に行い顔を揉みほぐし肌を柔軟にするのと、髭の伸び具合や吹出物などのチェックをする。

シェービングクリームを髭に伸ばしてより髭の軟化促進をさせ、また肌の滑りを良くし刃から肌を守る。

この季節は保温出来るシェービングカップにチューブ入りソープとパウダーソープのミックスを入れて、シェービングブラシで細く豊かな泡を作りしっかりとラザーリングを行う。

本来ならスチームタオルで包み3分程蒸したいところだが、我が家の都合でそのままこんもり泡だらけの顔のままで剃刀の刃をラッピングフィルムでラッピングして、もう一度ラザーリング、ようやく順剃りで進めていくのだ。

プレシェーブは時間を掛け丹念に行うコトが上手く剃るコツであり仕上がりに雲泥の差がでる。


多重刃T字カミソリで剃ってた頃はシェービングジェルのみで即ゾリゾリしていたが、ソレで全く問題無し、寝ボケていてもすごく剃れてツルツルに、しかもパーフェクトに安全だ。

西洋剃刀となるとそうはいかない。剃るというテクニックが当然必要で、朝から鏡の前で緊張し寝ボケてなんていられない、丹念にプレシェーブを行い、両手と表情筋を駆使して真剣に剃っていても完璧に剃り上げるには時間もかかるし、うっかりしなくても常に危険が伴う。

つまり、“ 西洋剃刀で究極の髭剃り ” を 行うには、西洋剃刀を扱えるスキルとテクニックが必要なのと、髭をじっくり剃り上げるタメの時間と心の余裕が必要だ。

全てが大切であるコトは言うまでも無いが、追求するとドンドン究極化していくのだ。

研ぎの練習 ③ [研磨 砥石]

いつも西洋剃刀の研ぎの最後には、我が家の包丁GLOBALの牛刀とペティを#2000番砥石で研いでいるワケだが、包丁研ぎ係の地位に暗雲が立ち込めてきた。

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我が家の女子達から切れ味にクレームが付いたのだ。むむ!研いだ後は必ずルーペで確認して、新聞なんぞ切り刻んだりしてチェックは怠らなかったハズ。

ついこの間まで「 すご〜ィ! トマトがスパスパキレる〜 」などと賛美の嵐だったのにだ。何だなんだ?

「 キャベツはスゴくキレるのに、ザーサイが切りづらい 」ということだった。はて? 「 じゃ タクアンは? 」と尋ねると 「 そう!前からタクアンも 」え〜 そんなはず無い〜

そう言えば以前試し切りで三ケ日ミカンと甘平ミカンの剥いた後の皮を切ったところ三ケ日ミカンの皮はスルスル切れるのに甘平ミカンの皮は上手くスパっと切れなかった、皮の厚みは余り変わらないのにだ、不思議だった??

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包丁に関してはトマトやキャベツは切れてザーサイは切りづらいとは、何のことやら、私の英知の届かないトコロで研ぎの難題が降りかかって来た、ナントカしないとな。



キレキレに研ぎ上がった剃刀にも、その剃刀の得意な髭と不得意な髭が有るとしたら合わないと大変だ。
そのタメに剃刀のバリエーションがあり刃の作りで、コンケーブや厚み大きさ重さ、刃の角度の違いが多数有るんだろう。
髭を剃っていて、好みの剃刀もあるけれど肌に合うというのか自分の髭に合う剃刀って有るけどね。

包丁もバリエーションは豊富だが、牛刀は万能包丁と呼ばれているんだからキャベツとザーサイは同じ包丁でゆきたいモノだ。

“ べっ甲 ” ガラの柄 [剃刀 雑感]

手持ちの西洋剃刀の柄で好きなのが、最初に手に入れた1000 H.DIAMOND で、とても綺麗なマーブルガラの柄だ。

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調べるとネット上にアップされているマーブルガラの柄の西洋剃刀をみて見るとイロイロと有り、なかなか奥深いと知った。

元々古くは “ べっ甲 ” と言われる 海外産ウミガメのタイマイ甲羅を何枚か合わせて作られて、加工しやすい材質の工芸品で有り、黒や赤茶などのガラが無い少し赤黄色の透明感のある単色のモノがべっ甲では最高級らしい。また、櫛など通常に使われていたモノでも有るらしいが、現在はワシントン条約にて輸出入を規制している。

骨董市でも沢山のべっ甲品を見かけるが、良く出来ておりシロウトには見分けるのが難しいみたいだ。

西洋剃刀の柄にも べっ甲 ガラ似のマーブルの柄が数多く見られる、ホンモノの “ べっ甲 ” では無くほぼ全て人工的に作られた、古くはセルロイドマーブルで、近年ではアセテートマーブルだ。どちらもプラスチック樹脂の類いだ。

近年では使われなくなったセルロイドだが、古い西洋剃刀のマーブルガラの柄はほぼセルロイド製だ。湿式で作られ170℃〜190℃で発火するタメにものすごく危険で職人の手でしか削れないが、型崩れしずらくしっとり感がありツヤも出やすい。

最近よく見かける“ べっ甲 " ガラの眼鏡フレームも含め以前から セルフレーム と呼ばれるがセルロイド製では無く、全てが“ べっ甲 ”に似せて作られたアセテートモノだ。
アセテートは複雑なササ柄も作りやすく、柔らかいので加工調整しやすい。セルロイドに比べ衝撃強度がやや劣り吸水性もあり、長期間使用すると白く変色するコトがある。

作り方には乾式と湿式の二通りあり、パキッと斑のハッキリした製法と班がモヤっとした溶け込むような斑とある。

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ガラのパターン的に左から、トラフ柄、デミ柄、ササ柄、と大きく分けて3パターン有る。しかし手作りのタメにバリエーションは豊富となり、同じものは一つと無い。

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見ると1000 H.DIAMONDは、セルロイド製 “ ササ柄 ” のマーブルガラのようである。
年代物のセルロイド製ハンドル柄が付いた西洋剃刀は数も少なくなり、当然 貴重 だ。

現在新たに作られている海外モノの西洋剃刀はセルロイド製では無く、安全なアセテートやカーボン板、天然木、金属など素材は多岐にわたる。

同じモノが一つと無いマーブルガラの柄は、世界で唯一無二の西洋剃刀と思うとグッと来るものがあるね。

日本剃刀の表スキ [研磨 砥石]

手に入れた岩崎玉鋼の日本剃は、両刃の西洋剃刀と違い片刃で表と裏にスキといわれるエグれがある。

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スキは、片刃の包丁、鑿や鉋、彫刻刀 など片刃に裏スキがあり、 西洋剃刀の刃の表裏のコンケーブ( 逆蛤 )は凹みという部分で似てるが表裏で日本剃刀はスキ幅が均等では無い、違うモノの様だが両刃と片刃の扱いの違いだけで機能は同じだ。どちらも良く剃れる髭剃りなのだ。


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日本剃刀には表スキも有り、刃の表を研ぐ時に( 文字の刻印が無い方が表 ) 研ぎ易くするタメに、砥石に刃が貼り付か無い様にし、砥石に触れる鉄の部分を少なくして刃を手早く研ぎ上げるコトが出来る 。
日本剃刀専門道具の 鉄を削る“ スキセン ” というモノが通常使われていた。

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日本剃刀の型が付いた板に剃刀を固定し、刃の表の軟鉄部を削るタメの鋼の刃が付いた“ スキセン ”でガリガリと削るのだ。

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また、鉄でできたお腹当てが剃刀のスキを作る木型台に付いているのもあり、その長方形の剃刀型に細工されたトコロに剃刀を入れ長方形の木の先端を柱とか壁に当てて安定させ“ スキセン ” の両取っ手を保持して奥に向かってガリガリやるのだ。

どちらにしても、ずい分荒っぽいやり方で、綺麗に表スキができるとは到底思え無い。昔はコレしか無いので達人もいただろうけどね。

手に入れた岩崎玉鋼日本剃刀も案の定、表スキはがっかりのデタラメだ。
中途半端に乱れて入っており、何筋か刃の方にも危険なキズ線が延びている、幸いなのが" スキセン ”でのスキが深く無かったコトぐらいだ。

調べると大工道具の鉋なども裏スキは電動リューターで現役大工も行ってるみたいだし、最近は日本剃刀の表スキも小型電動リューターで行ってるみたいだ。

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早速、電動グラインダーにハンドリューターが付いた手頃なホビー用を手に入れた。サイズ的に剃刀には丁度良いサイズだ。ホームセンターには専用でイロイロ取り替えるパーツも豊富に取り揃えてあった。

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マスキングテープで鋼と軟鉄の境が研いだ時に分かるよう広めに刃幅を取って刃先部分養生し、ガーリガリガリやってみた。元々あった“ スキセン ” のキズが取りきれないが、まあまあ良く出来たのではないだろうか。
目指す刃幅は1mmで峰側2mm辺り、削った真ん中辺りがより凹ました逆蛤が宜しいみたいだが、今回は初めてというコトもあり刃幅は3mm峰側3mmで逆蛤にしないでフラットに0.1mmも無いぐらいゴク薄くスキを入れた。

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よ〜く見ると日本剃刀の刃先の先に少し欠けも有るし、気長に研いでればそのうちキズも欠けも無くなるだろうね。



究極の髭剃り [髭剃り探究]

髭剃りの友Blogも、めでたく 100回 となりました。

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お越し頂いた方々、お付き合い有難う御座います。
また、今後とも宜しくお願い致します。


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究極の剃刀刃を求め、日夜YouTubeをチェックし、常にネットで検索しまくって、金属専門書を読みふけり、刃物研ぎに対しての文献と情報を集めてスキルを蓄え、砥石で研ぎの技術向上を目指し日夜研鑽に励み、経験値を上げ、細かく研げるものなら何でも試し、顕微鏡にて数ミクロン単位でのせめぎ合いを確認しつつチェックし、キレッキレの刃付けにほぼ成功してるとは思うが、、、確かに、いつもの切れの試し方、一本の髪の毛先をつまんで剃刀の刃に髪を落としてプツっと切る 切れ味チェックでは抜群の成果をあげ納得の刃先と なっている。( 時もある )


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ただ、髭剃りの目指すところは、所有欲を満たすシェービンググッズに囲まれ、お気に入りの香りの中でキレッキレに自分で研いだ愛着有る自慢の剃刀で、自身で磨き上げたテクニックにて、ツルツルぴかぴか無理なくスピーディに、当然ながら “ 綺麗 ” に “ 気持ち良く ” 一番大切な “ 安全 ” に剃り上げるコトが出来るのが、 究極の髭剃り ではなかろうか。

最近はハードにウエイトが移っているみたいだったが、今後はソフトにもっと力を入れて、剃りのキャリアを積まなくてはね。


千代鶴是秀 “ 月照 ” [髭剃り探究]

千代鶴是秀は大工道具で超一流の鍛冶職人だがソレだけでは無く日用雑貨を含めイロイロ器用に作っていたみたいだ。

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その中には千代鶴是秀作製の “ 月照 ” 銘の西洋剃刀が有るのを知った。ネットにもアップされており、調べると隣駅の金物屋なので、是非とも現物が見たくなった。

先日玉鋼の剃刀をネットで調べていたら刃物つながりで大工道具の鉋で髪の毛を試し切りするらしき文面が出ていて、ナルホド~確かに砥石を調べていた時も鉋の文字が良く出ていた、YouTubeにも砥石で研ぎと言ったら鉋がよくアップされている。
大工道具と言ったら有名鍛冶職人の千代鶴是秀が必ず当然のコト出てくるので、気になったので調べると 地元ご近所での話ばかりだった。所縁の金物屋が近場に3軒有ることが分かり、仕事帰りに寄ってみることにした。


1軒目は、渋谷道玄坂の金物屋 「 吉沢利工 」だ、ココにお目当ての “ 月照 ” が有る。

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千代鶴是秀と先代が親交があったみたいで作品が幾つかコレクションしているはず、ワクワクしながら店内へ、狭いながら大工道具が所狭しと並んでおり、鉋に鑿、高価な砥石も、ナント!新品鏡面磨きで柄は藤巻の日本剃刀が桐箱入りで売りに出ていた。ワクワク度 MAX!

対応に出た吉沢氏に剃刀研ぎ用砥石について尋ねた、話の流れで話題を千代鶴へ持って行きたかったが上手に伝えられなかった。
勝手に盛り上がり挙動不審になってる私は大工専門店に不釣り合いの上 お門違いの雰囲気が滲み出てたタメに、挙句は 東急ハンズ を薦められた。
千代鶴是秀の チ も、“ 月照 ” の ツ も発せず残念ながら吉沢利工を後にした。

http://www.h6.dion.ne.jp/~y3-rikou/tennjijyou/tennjisitu-top1.htm


気を取り直して、2軒目は三宿交差点カドにある地元「スズキ金物店」ココは昔から知っており、何度も買い物をしたコトがある近所の金物屋なのだ。

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知らなかったがココの店主は “ 日本の大工道具職人 ” というリッパな本を書かれた方で、千代鶴是秀についても詳しく、是秀と先代は鉋の刃と鉋の台の間柄だったそうだ。店内に大工と佐官道具がビッシリ並び、“ 千代鶴 運壽 ” の箱書の鉋が並べられていた。ゆかり有る石堂謹製品も幾つか並んでいる。砥石にも造詣が深く尋ねたいことは山盛りだが、剃刀の話からはせず包丁研ぎの話の流れで剃刀研ぎ用砥石の話でもできればと思ったが、言い出せないまま終了ー!

http://www.misyuku-suzuki-kanamonoten.com/index.html


3軒目は三軒茶屋に有る「 土田刃物店 」だ、土田氏は “ 時間と刃物 ” と“ 千代鶴是秀 ” の本を書かれた方だ。千代鶴是秀作品ではとても有名な研究家で、開運「 なんでも鑑定団 」にて鑑定士も務ている。

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通りから少し奥まっているココに金物屋が有るとは誰も思わない、この辺りに何十年もいて初めて意識した、イヤ意識しないと分かりません。
入り口脇のガラスケースに玄翁が大きい順からズラリ並んでおり雰囲気は良いのだが店内の客のスペースはモノ凄く狭いのだ。先客が2名いて外で待つワケだが店内に入れるのは当然一人づつだ。
狭いながらも砥石が積み上げられていたりし、四角い対馬の黒い名倉も有り楽しめそうだが、一対一の対面販売で、気合が入る。
ココでも土田氏と包丁研ぎの話から始めたが内容が進展せずに、砥石の粒度150番手の欠けた刃を直す荒砥を話の流れで購入するコトになった。
「 ダイアモンド砥石がツルンツルンになっていたんで丁度ヨガった〜 」
まったく、何しに行っとるんだか、、


今回1時間弱で近所の千代鶴是秀の所縁の金物屋を3軒尋ねて、どこも専門店だけあり砥石には詳しそうだ、剃刀の話は全く出来なかったが、気長付き合って行こうと思う。

しかし、あまりにも話し下手の自分にビックリした。

玉鋼 ㊂ 岩崎 [西洋剃刀]

片刃の日本剃刀は気にはなっていたが意識して見ていはなかった。


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ましてや、玉鋼岩崎重義氏製作の片刃日本剃刀に柄を付けた西洋剃刀仕様と言う珍しいのが手に入ったモノだから急遽ネットでガッツリ調べてみた。

現在ネット上に写真で上がっている岩崎製の日本剃刀のみ、玉鋼、炭素鋼、スウェーデン鋼、計100丁程チェックしてみた。 ( 剃刀の数え方だが 一丁、二丁で良いのかな?)


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玉鋼製は、「玉鋼 岩崎」「玉鋼 ㊂ 岩崎」「玉鋼 ㊂ 重義」と3種類の刻印が有る。また、炭素鋼、スウェーデン鋼製には「炭素鋼 岩崎」「登録 ㊂ 岩崎」「 ㊂ 岩崎」の3種類が有り、大まかに計6種類の刻印が見受けられる。

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「玉鋼 ㊂ 岩崎」は刻印の文字違いで4種類確認でき、年代により刻印が違うと見た。見れば古い順の見当がある程度つくが定かではない、今回手に入れた剃刀の刻印「玉鋼 ㊂ 岩崎」は中でも新しい部類に入るようだ。

玉鋼岩崎のスペシャルな片刃西洋剃刀も16丁がチェック出来た。中には「玉鋼 岩崎」刻印の日本剃刀を後で西洋剃刀に仕立てたで有ろうブレードと柄の接点のピンの辺りにアラビア数字が刻印されたのが有る。
玉鋼製片刃西洋剃刀は、元々の玉鋼岩崎日本剃刀に折りたたみの柄を付けたモノだから後加工の指掛けがヤタラ細い。(「玉鋼 岩崎」のみの刻印は全て旧字体である )
他に、玉鋼の定番刻印と“ 別打 ”の刻印がさらに入ったり、オーダー品なのか名前の入ったモノも見受けられた。

玉鋼製岩崎の初期の日本剃刀にはアラビア数字が軟鉄の柄の中程に刻印されており、確認出来る数字は年代順に200番台から1100番台で有り、その中の初期の旧字体「玉鋼 岩崎」刻印は200番台から800番台で確認出来る。1100番台の刻印は其れよりも新しく現字体「玉鋼 ㊂ 岩崎」だ。
現在の岩崎製玉鋼日本剃刀は随分前からシリアル番号無しの 「玉鋼 ㊂ 岩崎」なので世の中に何丁出回ってるのかは定かでは無い。

因みに玉鋼製岩崎の両刃西洋剃刀には全てにシリアル番号が有り、漢数字の四◯◯番台から一八◯◯番台の刻印が確認されている。(ごく少量海外向け?英語表記の玉鋼西洋剃刀が有る)
( 髭剃りの友Blogー西洋剃刀ー ㊂ 岩崎 3Mトキワ 2015.2更新 参考 )


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岩崎製日本剃刀をチョット調べただけでも新旧かなりの数が流通販売している。(三条製作所は現在も稼働している)
剃刀に刻印されている数字だが、例えば漢数字が“ 五六七、八 ” と有れば、多分10丁分ぐらいの量の玉鋼に通算567番目の塊として打ちのばし、その鍛えた玉鋼の板から8丁目に出来上がった剃刀というコトらしい(567回叩いたワケでは無い)。西洋剃刀、日本剃刀共にシリアル番号が1000番を有に超しているワケだから数字的に10000丁以上の玉鋼製剃刀を三条製作所では製造販売したコトになるね。

現在は岩崎製の西洋剃刀は全く製造されておらず、シリアル番号無しの日本剃刀のみの製造だ。過去の炭素鋼、スウェーデン鋼全ての岩崎西洋剃刀、日本剃刀はシリアル番号が無いタメ判らないが製造量は玉鋼より多いと思われる 。

現在シリアル番号が確認出来る岩崎製の玉鋼西洋剃刀は59丁と玉鋼日本剃刀は9丁で、合わせて68丁だ。今後調べればまだまだ出て来るとは思うが、やはり玉鋼製の岩崎剃刀は貴重だ。

日本剃刀 [西洋剃刀]

以前より試してみたかった日本剃刀をとうとう手に入れた。


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日本剃刀と言えば “ へんこつ、つらゆき 、ニューずぼら、イヤデモ切レル ” など興味をそそるネーミングやタイトルが多い。


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また、鋼を軟鉄に着鋼した日本刀にも通じるモノを感じる、片刃では有るが鋼と軟鉄の刃面を砥石で研いだ時の霞のかかり具合など今後楽しめる要素は西洋剃刀と比べても遥かに多いと思う。

ただ、日本剃刀のデザインが余り好きではない。ゴム製の青い柄もピンとこないし、柄が付いてないと頭デッカチでバランスが悪いしね。

折りたたみ西洋剃刀には、日本剃刀には無いジャックナイフの様なワイルドな匂いがするから好きなのだ。
シェービングカップにブラシ、ソープやオイル、アフターバームとローション、シェービンググッズのどれを取っても西洋剃刀とマッチするからね。


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持ち運びしやすいように折りたためる、一見すると西洋剃刀の様な片刃の日本剃刀が有るのは知っていたが、今回手に入れた折りたたみ剃刀はまさしくソレで 、ソレも三条製作所の鍛冶職人 岩崎重義氏製作の 玉鋼を着鋼し鍛え上げたスペシャルな日本剃刀だ。

( 髭剃りの友Blogー西洋剃刀ー岩崎3Mトキワ、2015.2更新済、参考 )


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手入れが良かったのかセーム革で拭いただけで輝きを放った。表のスキが微妙では有るが年数が経っている割には刃も痩せてはおらず程度は超良好だ。

この珍しいハイブリッドの日本剃刀で楽しめると思うとワクワクして眺めているだけで酒が進む〜



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