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革砥の手入れ ② [革砥]

岩崎航介著作「刃物の見方」でも後回しにされた“革砥”だが、実際のトコロ文献も見つけられず難儀していたが、最近参考になる意見を頂いたので早速試してみた。

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革砥を使っていくと表面も汚れ傷み均一では無くなるので、クリーンナップを兼ねたチューンナップを革砥に施すらしい。

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まず、#2000番革砥に、耐水ペーパーの粒度 #800・#1200・#2000 と3種類用意し革砥表面、写真右半分研ぎペーパータオルで磨いて感触を比べてみた。

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コードバンに馬油やオイルなどを付け磨くとコードバン表面特有のツヤは消えてツヤ消しとなるが(コードバンには牛革などに通常ある銀面と呼ばれる表皮が無い)各々の耐水ペーパーで研ぎ、ペーパータオルで磨きをかけたら綺麗なツヤが出た。何十年も経ったカッピカピの古い革砥にはしっかりした潤いお手入れが耐久性を上げるタメにも必要だと思う。
その革砥のラッピングに自信が持てなかったワケだ。というより、革砥自体が怪しいと思っていたからだが。

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( 磨き前 )

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( 磨き後 )

以前おこなった革砥の手入れでは“馬油”を表裏タップリ塗ってしなやかに表面を整え高温アイロンで体重をかけフラット化を試みた、まずまずの仕上がりで期待が持てたが結果がイマイチ判りやすく出ないので革砥の扱いはイメージが湧かないまま使用していたのだ。

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一皮むく感じとなるが、マズは手触りが違う、感覚的にハッキリ判る! 参考意見通り耐水ペーパーの#2000番で革砥を磨き仕上げた方が表面がシックリ落ち着き繊細な刃が付く感じだ。

ハッキリ言って“革砥を使うと切れ味が落ちる” と言うのが私の見解だ。砥石に当てるのもそうだが切れ味は確かに落ちる。
砥石に当てなくてはならない程刃先がおかしくはなってないのに、砥石に剃刀を当ててシャカシャカしてる気分を味わいたいばっかりにワザワザキレッ切れの剃刀を研いで切れなくしている。
「刃物の見方」の中にも達人理容師が剃刀を一度砥石で研ぎ上げれば後は革砥のみで何百人もの、イヤそれ以上の髭を剃ったと出ている。私は一年で髭剃りは250回程度だし、それも5本もの剃刀を所持しているので、何れも直ちに剃れ無くなどならないし、使い方、使用量がプロとはまるで違うのだ。
つまり実用的に考えれば、砥石にヘタしたら年に一回も当てなくてもキレッ切れの剃刀の刃のままで維持するコトは不可能では無い。しかし、髭剃りはプロセスを含め全てが趣味なので、分かっていても研ぎたくなるんだな〜。

今は、天然砥石と目白名倉で仕上げ、革砥#30000番でラッピング、研磨フイルム#15000番を使って研ぎ、最近登場した毛羽立てデニム砥にて磨き上げて、腕の皮砥でラッピングからの最終チェック、おかげでキレッ切れの刃が付いてるのが判る。(後は西洋剃刀の鋼材と刃の形で耐久性、剃り味が変わるのだが)

手もとにある西洋剃刀5本を、きちんと砥石で研ぎ上げれば、マズ一年は革砥だけで過ごせるワケだ。
となると、なおさら革砥での仕上げ方、扱い方をマスターしなくてはね。


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コメント 6

かずかずけん

   興味が有ります実に面白いです読むの楽しみです
個人的にですが皮砥には油の使用はお勧めできません
濡らしたタオルで皮砥を拭き後耐水ペ-パ-で削り(最終には名倉で擦るのも良いですよ)その後熱を持つぐらいタオルで確り擦りましょう(すぐの使用にはペ-パ-の粒子が残りますから注意です) 皮砥は使う前に手のひらや腕等で確り擦り少し熱を持つくらいに 其れと肝心な事は剃刀の峰側でリ-ドして主に皮砥に当てる事で刃線でリ-ド致しますと当りが強く成りかえって切れが落ちる事に成る事が有ります
お節介ですが2本お持ちなら 薄いベニア板に両端に枕をかまして
力を入れましたらしなる位にして(下地に薄いスポンジを敷き)皮砥を貼り付けます ユックリ仕様ができましょう
このシナリ感を左手の張りで皮砥を引っ張って作る訳です
by かずかずけん (2015-01-30 08:47) 

Yan-tan

なるほど!とても参考になります、有り難う御座います。
ご指摘に有る革砥の使い方で、イメージでは峰側リードのつもりなのですが、革砥と刃線がこすれ合う音がシャーシャーと心地良く聞こえていたので、コレは完全に刃線リードになってました、気を付けないとね。

数十年来コードバンの革靴は何足か持っていて、手入れの仕方は熟知していますが、コードバンを耐水ペーパーで削るのは初体験でどうなるやらと思いましたが全く問題なくツヤも出たのに驚きました。コードバンのメンテはケバ立たせ無いのが鉄則だからです。

最後の革砥写真はガラス瓶に靴用クロスを巻き力一杯ゴシゴシ磨き鞣して最終仕上げ半鏡面化させた革砥です。通常コードバンの革靴も牛のツノにクロスを巻きゴシゴシツヤ出しをします。
コードバンも含め革は適度な油分があるコトで柔軟で傷みにくくなります。コードバンの革靴は専用樹脂WAXクリームなどで手入れをしますが、WAX効果でアメリカン風ピカピカに成ってしまいます。ブリティッシュ風にツヤをやや抑えたシブい仕上げにするのに、裏ワザでNO WAXのホースオイルつまり馬油を使ってメンテナンスをするのです。
私の手に入れた革砥は何方も古いもので#30000番は3〜40年は経っていそうです、綺麗でしたが油分も切れカチカチでそれこそ使い物にはならないシロモノで曲げると割れてしまいそうでした。

コメントに “ 個人的にですが皮砥には油の使用はお勧めできません ” と有りますが、現在革砥製作所が一軒しか無い状態で、かなり古い革砥がオークションなどで出回っております、その革砥で剃刀仕上げをされるのなら、新品でも永く使われるなら薬局でも手に入る馬油を使い試してみるのも良いかと思います。

今回の耐水ペーパー#2000番、瓶に科学クロス巻きでゴシゴシ鞣す、での古い革砥復活は通常メンテとしてもとても良いと思います、オススメできます。
良いコトを知りました有り難う御座いました。

by Yan-tan (2015-01-30 16:59) 

かずかずけん

  コ-ドバンに関して非常に熟知されて居りますね 個人的にと書き込みましたが皮砥には油の件です コノヤマコ-ドバン(金山)でも油はご法度(ダメ)との意見です 又話がクドク成りますが「切れる」のと「剃れる」との刃の構成の違いが有る様に考えます 切れるは刃がノコギリ状に成る事が正解です
何故なら引っ掛りが無いと滑ります 剃刀は切るとは言いません
剃るです 髭は切れても皮膚には干渉してはイケません
ダイアモンド等もそうなんですがラッピングペ-パ-を多用致しますと
刃が細かい鋸(ノコギリ)状に成り易いですですから
ダイアモンドペ-ストの其れを超える番数を試してみたいのですが!!
又書き込みます
by かずかずけん (2015-01-30 18:45) 

かずかずけん

  名倉をお持ちとの事でしたが 耐水ペ-パ-後名倉で平面出しを確りした物で良く擦り着けるのが良いですよ!!その後布でも擦ります!!是非お試し有れ!!
by かずかずけん (2015-01-30 18:49) 

Yan-tan

以前にも“革砥に油は使用不可では?”とのコメントを頂いており、今回も唯一の革砥屋さんもダメとのコト、 革砥ラッピングの歴史の中で先人達が築き上げたモノに間違いは無いと思います。
正しく伝えるコトが先人の務めで、果たすのは大変だと思います。
今後とも宜しくお願い致します、有り難う御座いました。


by Yan-tan (2015-01-30 20:40) 

仁淀の小鮎

ラッピングペーパーは今一ですね、荒く感じます。
ジーンズ砥石もスッポンジを入れると沈みこみ過ぎて小刃が付きませんか?ジーンズ砥石だけでも小刃が付くように感じますが…(^^;
by 仁淀の小鮎 (2015-11-11 12:16) 

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