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刃先の角度 [剃刀 雑感]

以前、保有する西洋剃刀5本の刃先をマイクロスコープでチェックした時に切刃幅の違いについて疑問に思ったので検証してみた。

image.jpg

5本とも製作所違いで刃厚が違うし、使い込み度で刃幅と峰の厚みが変わったり違ったりは当たり前だが、手持ちのモノは280ミクロン内 で切刃幅に差がある。と、いうコトは、革砥を当てて糸刃を付けた刃角は考えないとすれば、切刃の刃先角度はみな微妙に違うコトになるよね。
刃先の角度は金属板とデジタルノギスの数値を三角関数にて求めた。刃先には薄いがセロハンテープで養生したので誤差調整しても多少狂いが出たと思うがほぼ正しいだろう。

image.jpg
*左から
1000 H.DIAMOND 19°02’
300 SANKAN 15°38’
800 DAISHI 20°24’
CAPE NT−77 19°47’
岩崎 3M トキワ 19°17’

他の刃物をググって、日本刀や包丁などと比べても剃刀の刃角は鋭角で20度前後だった。

300SANKANの斗出した数値は他と違う唯一のベタ刃によるものなのか、刃は重いが峰厚は少ない。1ヶ月ほどコレばかり使って剃っているが刃角の少なさは全く感じ無い、ベタ刃なので逆に刃先の厚みを感じる。

800DAISHIのオバー20°は、この西洋剃刀の特性もあるのかも知れないが、見るからに新品の状態より研ぎ減りしている。西洋剃刀を普通に研げば峰より先に刃がチビって行く構造だから何年も使って行けば当然だが刃はチビって峰には厚さが残り刃角は大きくなる。この800DAISHIもそんなトコかもしれない。

刀や包丁は引切りをするために長い上に刃も湾曲し峰が反っていたりしているので、引切りすれば剃刀以下の鋭角な刃角になる場合があるが、刀は硬い骨なども切るので34度前後、包丁は24度前後でモノによってはそれ以上だ(小刃角は別)。剃刀は引切りをしないし硬いモノも切らないので最初から鋭角で薄い刃が付く。刃物の中で剃刀は良い鋼材のモノをキッチリ研ぐとズバ抜けて切れる。

日本刀研磨には 観賞用に磨き上げる意味合いと他に “ 寝刃を合わせる ” という言葉がある。キレイにピカピカに研ぎ磨き上げた刀をワザと刃先をザラつかせる磨き方をする。その方がより実戦的に良く切れるモノになるらしい。

西洋剃刀もそうだキレイにピカピカに研ぎ磨き上げた刃先を革砥に当てて刃先を荒らし小刃を付けるコトにより刃角を大きくし刃欠けに対処する。剃刀研ぎには髭を剃るという常に実戦的な切れを求められてる。
ましてや結果は自分に直接跳ね返ってくるワケだから気が抜けない、いつも実戦配備真剣勝負だね。

試行錯誤を繰り返し実戦研ぎをしているワケだから剃刀研ぎが上手くなるのは当たり前だ。



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