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“ べっ甲 ” ガラの柄 [剃刀 雑感]

手持ちの西洋剃刀の柄で好きなのが、最初に手に入れた1000 H.DIAMOND で、とても綺麗なマーブルガラの柄だ。

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調べるとネット上にアップされているマーブルガラの柄の西洋剃刀をみて見るとイロイロと有り、なかなか奥深いと知った。

元々古くは “ べっ甲 ” と言われる 海外産ウミガメのタイマイ甲羅を何枚か合わせて作られて、加工しやすい材質の工芸品で有り、黒や赤茶などのガラが無い少し赤黄色の透明感のある単色のモノがべっ甲では最高級らしい。また、櫛など通常に使われていたモノでも有るらしいが、現在はワシントン条約にて輸出入を規制している。

骨董市でも沢山のべっ甲品を見かけるが、良く出来ておりシロウトには見分けるのが難しいみたいだ。

西洋剃刀の柄にも べっ甲 ガラ似のマーブルの柄が数多く見られる、ホンモノの “ べっ甲 ” では無くほぼ全て人工的に作られた、古くはセルロイドマーブルで、近年ではアセテートマーブルだ。どちらもプラスチック樹脂の類いだ。

近年では使われなくなったセルロイドだが、古い西洋剃刀のマーブルガラの柄はほぼセルロイド製だ。湿式で作られ170℃〜190℃で発火するタメにものすごく危険で職人の手でしか削れないが、型崩れしずらくしっとり感がありツヤも出やすい。

最近よく見かける“ べっ甲 " ガラの眼鏡フレームも含め以前から セルフレーム と呼ばれるがセルロイド製では無く、全てが“ べっ甲 ”に似せて作られたアセテートモノだ。
アセテートは複雑なササ柄も作りやすく、柔らかいので加工調整しやすい。セルロイドに比べ衝撃強度がやや劣り吸水性もあり、長期間使用すると白く変色するコトがある。

作り方には乾式と湿式の二通りあり、パキッと斑のハッキリした製法と班がモヤっとした溶け込むような斑とある。

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ガラのパターン的に左から、トラフ柄、デミ柄、ササ柄、と大きく分けて3パターン有る。しかし手作りのタメにバリエーションは豊富となり、同じものは一つと無い。

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見ると1000 H.DIAMONDは、セルロイド製 “ ササ柄 ” のマーブルガラのようである。
年代物のセルロイド製ハンドル柄が付いた西洋剃刀は数も少なくなり、当然 貴重 だ。

現在新たに作られている海外モノの西洋剃刀はセルロイド製では無く、安全なアセテートやカーボン板、天然木、金属など素材は多岐にわたる。

同じモノが一つと無いマーブルガラの柄は、世界で唯一無二の西洋剃刀と思うとグッと来るものがあるね。

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コメント 4

七丁目のボステリ

そういえば最近使ってませんが、子供の頃から使っている下敷きがセルロイドでした。

包丁以上に西洋剃刀は柄の素材で価格も相当変わりそうですね!
by 七丁目のボステリ (2015-03-13 07:25) 

かずかずけん

   西洋剃刀の柄はいろいろ有って面白いですよね!!
ですが物によってはカシメのピンを締めた時(叩く)に劣化も有るのか
割れる時が有ります がっかりですね
交換いたしますが同じ物では無いので感じが変わってしまいます
ヤッパリ初めのオリジナルが一番いいですね!!
by かずかずけん (2015-03-13 09:08) 

どんどん淵

セルロイドは、横浜では青い目をした人形であり、鉛筆キャップに詰めて端をつぶし、ロウソクであぶって発火させるとロケットになります。
by どんどん淵 (2015-03-13 23:26) 

Yan-tan

セルロイド という響きがイイですね。
西洋剃刀の柄は数多くのキレイなセルロイド製の柄が有りますが、今の時代セルロイド製のモノはほぼ無いのではないでしょうか、全てが貴重なモノばかりとなりました。
by Yan-tan (2015-03-14 21:19) 

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