革砥の手入れ ③ [革砥]
以前、革砥の手入れ ② にて何だかスッキリしなく モヤモヤしたまま今に至るワケだが、岩崎航介著 「 刃物の見方 」 にて革砥の扱い方が端折られていたタメで、何が正しいか? が謎?であった。
思いがけず、岩崎航介氏の新聞記事を目にすることが出来た。
公衆衛生新聞社発行の昭和37年2月15日付け環境衛生ニュースに 「 レーザーと日本剃刀の研ぎ方 」 という内容の執筆記事だ。「 刃物の見方 」の初版は昭和44年2月10日だ、つまり随分前に革砥に付いての確かな考えが有ったのだろう。
50年以上前の記事で著作問題もうるさく無さそうだし、内容が素晴らしいのでチョイと載せてみる。
謎?であった 革砥 に付いての記事が多く有り、「革砥 」「 革砥とズックの手入方法 」 と 「 ラッピングの原理 」「 ラッピングの掛け方 」中でも とても唸った記事が 「硬い革砥を軟にする方法」 だ。
硬い革砥を軟にする方法
1 洗面器の中に水を入れ、金具を外した革砥を中で充分に揉み上げる。水中から取り出して、しごいたり、揉んだりすると革砥は軟になる。
2 濡れたまま板の上に置く、革砥が薄いと昆布の様に縁が縮むが、ビール瓶で擦れば平なる。
3 くねくね曲がったら、二枚の板に挟んで両側から押し付けて、真直ぐにする。
4 濡れた革砥の表面から、牛の爪油を塗る。
5 二三日陰干しすれば軟になる。
6 油を多く塗り過ぎたなら、水中で静に揉むと、爪油だけは、水に溶ける性質があるので、水中に溶け出る。
と、詳しく有った。
先ず、革砥手入れの謎?に対しての衝撃だが、馬の尻の革であるコードバンに馬油で無く 牛の爪油? ってトコだ! 調べると爪油の種類の中には時計の機械に差す油も有るのだが、使用目的に多いのは革の製造段階でしなやかにする保湿剤として使うみたいだ。爪油のネーミング通り現在も馬のヒズメの手入れにおいて乾燥を防ぎ潤いを与える保湿剤でも有るらしいのだ。
油といっても水溶性だから普通イメージするアブラとは違うのだろうね。
ネーミングが馬の爪油では無く牛の爪油だし、馬革コードバンに与えるのだ。ましてや牛から原料は取って無く牛の爪とは無関係だし、も〜ビックリした。
まだまだ革砥に付いての興味深い記事が有り、「 革砥とズックの手入方法 」 の中に、革砥の油抜き方法 なる記事が有り今後実証実験しながら感想を述べていこうと思うが、この記事を読んで暫くの間、あまりの衝撃で何時もの研ぎが出来無くなる程だった、この記事は私の中で剃刀研ぎのバイブルとなるだろう。
思いがけず、岩崎航介氏の新聞記事を目にすることが出来た。
公衆衛生新聞社発行の昭和37年2月15日付け環境衛生ニュースに 「 レーザーと日本剃刀の研ぎ方 」 という内容の執筆記事だ。「 刃物の見方 」の初版は昭和44年2月10日だ、つまり随分前に革砥に付いての確かな考えが有ったのだろう。
50年以上前の記事で著作問題もうるさく無さそうだし、内容が素晴らしいのでチョイと載せてみる。
謎?であった 革砥 に付いての記事が多く有り、「革砥 」「 革砥とズックの手入方法 」 と 「 ラッピングの原理 」「 ラッピングの掛け方 」中でも とても唸った記事が 「硬い革砥を軟にする方法」 だ。
硬い革砥を軟にする方法
1 洗面器の中に水を入れ、金具を外した革砥を中で充分に揉み上げる。水中から取り出して、しごいたり、揉んだりすると革砥は軟になる。
2 濡れたまま板の上に置く、革砥が薄いと昆布の様に縁が縮むが、ビール瓶で擦れば平なる。
3 くねくね曲がったら、二枚の板に挟んで両側から押し付けて、真直ぐにする。
4 濡れた革砥の表面から、牛の爪油を塗る。
5 二三日陰干しすれば軟になる。
6 油を多く塗り過ぎたなら、水中で静に揉むと、爪油だけは、水に溶ける性質があるので、水中に溶け出る。
と、詳しく有った。
先ず、革砥手入れの謎?に対しての衝撃だが、馬の尻の革であるコードバンに馬油で無く 牛の爪油? ってトコだ! 調べると爪油の種類の中には時計の機械に差す油も有るのだが、使用目的に多いのは革の製造段階でしなやかにする保湿剤として使うみたいだ。爪油のネーミング通り現在も馬のヒズメの手入れにおいて乾燥を防ぎ潤いを与える保湿剤でも有るらしいのだ。
油といっても水溶性だから普通イメージするアブラとは違うのだろうね。
ネーミングが馬の爪油では無く牛の爪油だし、馬革コードバンに与えるのだ。ましてや牛から原料は取って無く牛の爪とは無関係だし、も〜ビックリした。
まだまだ革砥に付いての興味深い記事が有り、「 革砥とズックの手入方法 」 の中に、革砥の油抜き方法 なる記事が有り今後実証実験しながら感想を述べていこうと思うが、この記事を読んで暫くの間、あまりの衝撃で何時もの研ぎが出来無くなる程だった、この記事は私の中で剃刀研ぎのバイブルとなるだろう。
西洋に負けない西洋カミソリを玉鋼で造る研究熱心な方なので剃刀の研ぎ道具にも詳しいく調べ上げたのでしょう。
私もこの本を読みましたが確かに学者肌の岩崎航介氏ならではの記述でした。
by ゆうけん (2015-05-02 15:44)
学者肌!本当にそうですね。
実験やテストを多くされ、ソレに基づいた結論を誰が見ても分かりやすい様に丁寧に文章にされているので大変助かります。
by Yan-tan (2015-05-03 01:30)