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のんびり髭剃り [髭剃り]

いつ頃からだろうか、出張での慌しい朝から解放されたのは。早起きになったからだろうか?

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きっと、ストレートレザーで髭を剃るようになって、ゆったりとした時間を意識し出したからかも知れないね。
朝のリズムがそのまま余裕の1日へとなっているように思える、いいコトだ。

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( 窓の外は仙台の山並み )

性格がセッカチなタイプだと思うが、それがキライなわけでは無く、むしろ美徳とさえ思っている。好奇心旺盛、ミーハー根性丸出しで生きて来たワケで、朝のシェービングタイムを充実させるコトで何かが変わったと思う。

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旅先で朝からのんびり髭剃りを楽しめれば、
この世知辛い世の中、ココロは常にピースフル。




二人の巨頭 [髭剃り]

前回の出張ではCAPE NT-77 1本とラッピングフィルム#15000で旅に出たが、シェービンググッズも最小限の装備だし、どうも心許無い気がしていた。

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出張前に、自宅でジックリと砥石に当て、顕微鏡で刃先のチェックをしないで、感覚のみで刃先に思いを馳せ、“ 薄く鋭く、薄く鋭く ” と、呪文を唱え念を入れて研いでみた。
剃刀を研ぐと言うより、より指先の感覚を “ 研ぎ ” 澄ます感じだ。
先人は熟練の指先感覚だけで究極の鋼を鍛え研ぎを行っていた、説明出来ない感覚のみで達成できる者を人は “ 天才 ” と呼ぶのだろう。

私は顕微鏡でナゼかを理論付けて確かめたいタイプだが。

今回の出張はソレと久しぶりに H.DIAMOND1000も同行させ2本体制にし、右顔と左顔で剃刀を変えて剃ってみたり、と、剃り比べをしてみた。

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谷藤福太郎氏と林市太郎氏との旅となった訳で、心踊るキャスティングではないか。
至福の時を満喫するワケだが、、、残念ながら今の私の感覚では剃り味の違いはハッキリ言って分からない、気分の違いでしかない。

そう!気分の違いを感じるだけでも両巨頭の価値が分かるってモノ。


旅の髭剃り道具 ② [髭剃り道具]

旅のグルーミングバックはいつの間にやらモノで溢れ返りパンパンに膨れ上がっていて、今回旅用の仕分けを行なったら必要なシェービンググッズはこんな感じになった。

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写真のシェービングカップ(ソーサ)は、ホテルの備品で、持ち運びするには1番かさばるので いの一番に仕分けされた。
シェービングオイルや髭軟化剤のクリームも当然仕分けされていて、パリで購入のチューブタイプシェービングソープも残り僅かで今回の旅でオサラバだ。シェービングスポンジは便利なので持って来れば良かった、が、ホテルのハンドタオルに泡を撫で付ければ事足りる (家でやろうものなら我が家の女子達に大ヒンシュクを買うと思うが)

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( 背後の山は 霧島連峰 )

アートオブシェービングのコンパクトなアルムペンは必須で持って来ている、(シェービングでの止血とソープのアルカリ負けで赤くなった肌には最高のパフォーマンスを発揮する。アルムペンは酸性なのだ)

考えてみれば、西洋剃刀でのシェービングを始めた頃の旅には、“ アレが必要コレが無いと “ などど思っていたが、キャリアを積みシェービングテクニックとスキルが伴って来れば最低限の道具で最高のパフォーマンスを発揮出来る様になる。

旅はムダを省いた選ばれたモノだけで身軽に快適に、と、いつも思うが、ホテルライフを快適に過ごせるにはアレもこれもとなっちゃうんだな〜。


谷藤製 西洋剃刀 [剃刀 雑感]

九州へ出張となり、気分を変えソロソロ次の西洋剃刀を使うコトに、谷藤福太郎氏作製のCapeKennedy・CAPE NT-77 が今回から旅のお供となった。

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“ 77 CAPE–KENNEDY RAZOR ” は 昭和46年 (1971) 谷藤福太郎氏が喜寿(77歳)の記念にNICHIRI(日理)から発売した喜寿記念限定品。(詳しくは髭剃りの友Blog、西洋剃刀 CAPE NT-77 参考)

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手に入れてから、研ぎ直した時にCAPE NT-77で試し剃りはしたが、当時愛用していた林市太郎氏作製の1000 H.DIAMONDと作りが良く似ている、何方もスウェーデン・ハイ・クローム鋼、ホローグラインド ( 逆蛤 ) だ。
刃角は、H.DIAMOND 19°02’・CAPE NT−77 19°47’と+0°45鈍角で、何時もの試し切りでは、毛先を摘んだ1本の髪の毛を切った時の音がCAPE NT-77の方がやや低い。
オーソドックスな1000H.DIAONDと比べ、ベタ刃の300SANKAN、玉鋼の800DAISHIとタイプの違う西洋剃刀を使ってきたので、CAPE NT-77を使うコトは私が西洋剃刀に持つ基本イメージに戻る感じだ。

良くしようと突き詰めて行くとモノは似てくるのかもね。



研ぎの練習 ② [研磨 砥石]

剃刀を研ぐための練習用として手に入れたサビサビ包丁3本の中から、今回は日本剃刀と製造工程が似ている、鋼を軟鉄に着鋼した片刃の柳刃包丁を仕上げるコトにした。

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前回、柳刃包丁をある程度まで研いでみたが、ダイヤモンド砥石にて欠けた刃を直すのに刃を潰し過ぎて満足のいく切れ味には程遠い出来に仕上がっていた。

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今回もダイヤモンド砥石#300/#1000のフル活躍で切れ刃のヘコミ諸共ガリガリやりフラットに、お陰でダイヤモンド砥石もフラットでツルツルの鉄板となった。

砥石を取っ替え引っ替えシコシコシャカシャカと一心不乱に、剃刀だと砥石でこの様に思いっ切りガシガシ研いで楽しめ無いのでスーッキリした。

キッチンを占領出来るのもせいぜい4時間やそこらで我が家の女子達に追い出され、ステンレス製シンクがサビ色となっておりキッチンを汚したとクレームが付きクリームクレンザーでビカビカに磨き上げクリーンナップ、なんかミガキっぱなしの日の様だ。

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そんなに長時間研いでも思ったほど切れる柳刃包丁にはなって無い。
研ぐコトは発見も多く楽しいけれども全く楽では無いんだね、以前に見学させて頂いた ” 研ぎの学校 ” にて、“ 研ぐ時には疲れないフォームでやらないと長くは出来ない ” の意味が今はよ〜く分かる。

また一つ楽しみが増えた。

研ぎの練習 [研磨 砥石]

剃刀の仕上げ研ぎに革砥にデニム砥それにラップフィルムと肌の皮砥で、それはそれで問題は無い。
しかし、砥石で研ぐとなるとスキルとテクニックがまだまだでキャリアが足りないと感じる。剃刀が刃欠けをしない限り砥石の能力はそれ程発揮しなくとも何とかなるし、砥石を使っても撫でる程度だからだ。つまり、あまり砥石を使う機会が無いのが実状だ。

我が家の包丁研ぎ係に昨年任命されたのだが、包丁に剃刀用砥石を使うのも何だか粒度も違うし砥面も荒らしたくない、そこで包丁用に砥石を新調してみた。

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#2000番と柔らか天然砥石( 頂きモノ ) 平面出し用砥石を買ったのだが我が家の包丁はグローバルというステンレス製両刃の牛刀とペティーナイフでハマグリ刃だし研いでいても面白みに欠ける。
日本剃刀の様な片刃で合わせ鋼の包丁を研いでみたかったが、導入に反対する我が家の女子達からはハガネの包丁は錆びるし柄が木のモノはニオイと衛生的に如何なものかとチクリ言われていた。

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越前打刃物の越前市(旧武生市)で覗いた骨董店にて20本程のサビサビ包丁が入った箱の中から、柳刃、4寸の出刃、ついでに特殊鋼割込の両刃野菜切りの3点を破格にて手に入れた。サビサビ包丁は料理には使用しない研ぎの練習用として購入、コレなら我が家の女子達にも問題無いだろう。

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早速研いでみた、耐水ペーパーでサビを落とし、ダイヤモンド砥石で刃を潰し欠けた刃を無くし、#2000番、柔らか謎の天然砥石、キング#6000番で終了〜ピッカピカ〜!

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1回目にしては良く研げたと思うが刃を潰しすぎたので全く切れなかった。次回はマズ柳刃のシノギをジックリと揃え、切り刃の面を整え、小刃を付けてキレッキレに研ぎ上げよっと。

よーく分かった、包丁研ぎにはセンスより根気が先ずは大切。


鍛治場見学 [髭剃り探究]

越前打刃物、タケフナイフビレッジへ鍛治場の見学に行った。

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ココでは火造り鍛造のナイフや包丁、切り出し小刀を実際に造れる体験教室をイロイロと実施している。それで切り出し小刀教室に予約を入れたが、すでに定員に達していたためダメとのコト。しかし折角なので出かけてみた。

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越前打刃物では剃刀を造るコトは無いとのコトで、その気になれば造れそうなモノに感じるが、話を聞くと歴史的な背景も有るらしく、地場産業として得意不得意があるみたいだ。もともと刀鍛冶から始まり今は雑具、農工具、ナイフなどで、見た感じ包丁がメインではなかろうか。


切り出し小刀造り工程は、まず火造り鍛造から始まり整形焼入れし研いで仕上げまでとなる、4時間程かかるらしい。包丁だと6時間、ナイフは2日間らしいが次回チャンスがあれば挑戦したいものだ。



革砥の手入れ ② [革砥]

岩崎航介著作「刃物の見方」でも後回しにされた“革砥”だが、実際のトコロ文献も見つけられず難儀していたが、最近参考になる意見を頂いたので早速試してみた。

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革砥を使っていくと表面も汚れ傷み均一では無くなるので、クリーンナップを兼ねたチューンナップを革砥に施すらしい。

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まず、#2000番革砥に、耐水ペーパーの粒度 #800・#1200・#2000 と3種類用意し革砥表面、写真右半分研ぎペーパータオルで磨いて感触を比べてみた。

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コードバンに馬油やオイルなどを付け磨くとコードバン表面特有のツヤは消えてツヤ消しとなるが(コードバンには牛革などに通常ある銀面と呼ばれる表皮が無い)各々の耐水ペーパーで研ぎ、ペーパータオルで磨きをかけたら綺麗なツヤが出た。何十年も経ったカッピカピの古い革砥にはしっかりした潤いお手入れが耐久性を上げるタメにも必要だと思う。
その革砥のラッピングに自信が持てなかったワケだ。というより、革砥自体が怪しいと思っていたからだが。

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( 磨き前 )

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( 磨き後 )

以前おこなった革砥の手入れでは“馬油”を表裏タップリ塗ってしなやかに表面を整え高温アイロンで体重をかけフラット化を試みた、まずまずの仕上がりで期待が持てたが結果がイマイチ判りやすく出ないので革砥の扱いはイメージが湧かないまま使用していたのだ。

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一皮むく感じとなるが、マズは手触りが違う、感覚的にハッキリ判る! 参考意見通り耐水ペーパーの#2000番で革砥を磨き仕上げた方が表面がシックリ落ち着き繊細な刃が付く感じだ。

ハッキリ言って“革砥を使うと切れ味が落ちる” と言うのが私の見解だ。砥石に当てるのもそうだが切れ味は確かに落ちる。
砥石に当てなくてはならない程刃先がおかしくはなってないのに、砥石に剃刀を当ててシャカシャカしてる気分を味わいたいばっかりにワザワザキレッ切れの剃刀を研いで切れなくしている。
「刃物の見方」の中にも達人理容師が剃刀を一度砥石で研ぎ上げれば後は革砥のみで何百人もの、イヤそれ以上の髭を剃ったと出ている。私は一年で髭剃りは250回程度だし、それも5本もの剃刀を所持しているので、何れも直ちに剃れ無くなどならないし、使い方、使用量がプロとはまるで違うのだ。
つまり実用的に考えれば、砥石にヘタしたら年に一回も当てなくてもキレッ切れの剃刀の刃のままで維持するコトは不可能では無い。しかし、髭剃りはプロセスを含め全てが趣味なので、分かっていても研ぎたくなるんだな〜。

今は、天然砥石と目白名倉で仕上げ、革砥#30000番でラッピング、研磨フイルム#15000番を使って研ぎ、最近登場した毛羽立てデニム砥にて磨き上げて、腕の皮砥でラッピングからの最終チェック、おかげでキレッ切れの刃が付いてるのが判る。(後は西洋剃刀の鋼材と刃の形で耐久性、剃り味が変わるのだが)

手もとにある西洋剃刀5本を、きちんと砥石で研ぎ上げれば、マズ一年は革砥だけで過ごせるワケだ。
となると、なおさら革砥での仕上げ方、扱い方をマスターしなくてはね。


革砥に付いている布砥 [革砥]

革砥に付いているズックの布砥は何のタメにあるのか、当然革砥とセットなので剃刀用だとは思うが、その粗い布砥では剃刀の繊細な刃は付くはずも無い、きっとナルホド的有効な使い方が有るのだろうと思うが。

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考えるに、切れ味の落ちた剃刀を最初にズックの布砥にてタッチアップして、刃を付け直し最終的に革砥で磨き上げ仕上げる。という手順なのかな?
もしくは、青棒を塗り込んでコテコテにしたズックの布砥で最終仕上げを行うのかな?

どちらにしても布砥は革砥よりも遥かに弾力が有りソフトなので僅かでもチカラを入れてラッピングすると刃先は丸まり切れない剃れない剃刀となるはずだ。

使い方としては、表裏として使うのか? カレンダーのようにめくって使うのかな?使い易さで言うならばひっくり返す表裏として使う方が都合が良さそうに思うが。

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2本ある革砥に付いている布砥の厚さ硬さしなやかさが全く違う、まして編み方パターンがぜんぜん違うし編む密度が違うのだが、その理由は有るのだろう、また、革砥の値段の違いがあるので、価値の高い革砥に付いている布砥の方が普通に考えれば良いモノなんだろうね。

布砥は両面で違うパターンとして、片面青棒塗りたくって、もう片方はオリジナルのままで2度おいしい感じでもイイね。


革砥とセットの布砥は、“ はてな? ” 状態で1度も使わずブラ下がっている。




デニム砥の効果 [研磨 砥石]

ガラステーブル上にデニムをフラットに置きデニム布砥を何度か最終仕上げとしてを試みたが結果が思った様には出ずビミョウであったため却下してあった。

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腿のラウンドをイメージしたカマボコ形デニム砥を製作してみた。スポンジを3種用意し、厚さ硬さの違うモノでチョイスは20mmの硬めのスポンジで、デニムで引っ張りながらより硬くパンチングし成形した。
とはいえスポンジなので弾力が有る。使い方としては峰と刃をデニムにペタリとさせてユックリ剃刀を斜めに滑らし極薄い刃先を整えるイメージで仕上げ、決してデニムに刃先が沈み込むコトの無い様に磨き上げるのだ。

デニム砥をテーブルには置かずに、剃刀とデニム砥を両手に持ち宙に浮かせた状態で使用するコトにより刃のあてる角度をテーブルに置いた状態よりも決めやすくキープしやすいのに気付いた。

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デニムの表面も金ブラシでブラッシングしヨリのかかった綿糸の角を取り、デニムをケバ立たせて刃先の当たりをより繊細にしてみたら、かなりイイ感じに刃先が仕上がった。( “ デニムをケバ立たせてみるとヨイ ” と、コメントにてアドバイスを頂いていた )

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天然砥石と目白名倉にて小刃無しの切り刃のみに仕上げて、デニム砥のみの最終仕上げでデニム砥で極小小刃付けを行ってみた。物凄くヨイ!

シロウトがキレッキレの剃刀を自分の手で作りたいならお手軽なデニム砥はオススメだ。製作段階から見ていた我が家の女子達が " 黒板消し ” と、名付けてくれたが、口には出さないが要するに デザイン的にカッコ悪いのだ。暇を見て改良するコトにしよう。


デニム砥の製作 [研磨 砥石]

今迄、最終仕上げ砥に数々のモノを試してきた。やはり、映画で見た髭を剃る前にストレートレザーをデニムパンツの腿のあたりで撫でて剃るシーンがカッコよく、ヒゲも生えない子供の頃の記憶に有って髭が生えたらそんなフウに剃ってみたい、と思っていた。

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朝、髭を剃るトキの姿はデニムパンツ姿では無く普段スウェットパンツだ。たとえデニムパンツを履いていたとしてもストレートレザーで撫でたりは、今のトコロ行わないだろうと思う。(アウトロー的な雰囲気は微塵も無いので)

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コメントに “ 青棒研磨剤を塗布したデニム ” とアドバイスを頂いた。以前デニムにて剃刀を仕上げたが、それ程良い感じはしなかった。ガラステーブル上にデニム布を平らに置き撫でてたからか?デニムパンツを履いたような太腿の丸味が必要なのでは?と考えた。

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それではと太腿に見立てたデニム砥を製作してみた。杉板に硬めのスポンジを入れカマボコ状にデニムを張りパンチングを見えない様に赤いリボンで一巻きした。
大きな黒板消しみたいだが、30分程で仕上げた割に良く出来た。

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後は青棒を塗りたくるだけだが、先ずは研磨剤無しのデニム砥で剃刀の最終仕上げを行った。
何時もの切れ味チェックでの結果は、“ まずまず ” であった。もう少しデニムが馴染めば良い感じになりそうだと確信した。今後は青棒研磨剤を塗布したデニム砥も楽しみだ。

コレからデニム砥も腕も育つのだろう。



剃刀の数 [剃刀 雑感]

西洋剃刀がネット上に売出しているのを見るのはとても参考になる。
売り手の中には剃刀に対しての造詣が深い方もおられ、ブランド名や製作者の解説や逸話などがチョイとでも出してくれると ありがたく フムフム となるワケだ。

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( 日本らしいモチーフの瓢箪、人力車を刻印にしてしまう発想が面白い )

形や色デザインなども多種多様でとても興味深い、ハンドルや柄に刻印された商標やネームなど見ていても次から次へと出て来て “ ほ〜 とか へ〜 ” って感じで、ホント多種多様で飽きない。

興味深いのは図案化された商標だ。大変良く出来ている、狭いハンドル部に凝縮してあり漢字やら横文字、数字に図案、盛り沢山だ。
和風のモノがお気に入りで、いつかは手に入れたいモノだが、今は髭剃りのタメの実用品としての西洋剃刀所持が信条なので、眺めているだけだ。

調べ計算してみたが、日本ではストレートレザー制作が盛んだった1960年、(因みに日本では両刃T字の安全剃刀が出て20年経っている) 今から55年前辺りの日本国人口は9300万人ぐらいで、男子が人口の半分だとして4650万人、ストレートレザー使用人口ピークも越えていたと思うが、男子人口の髭剃りしているであろう数はその内の80%ぐらいの3720万人だとして、髭を剃らないなどなんらかの理由があったりで、その数の半分としても1860万人が日本で毎朝ストレートレザーを使用していた事になる。つまり1860万本のストレートレザーがその当時は現役で必要とされていた、実際はそれ以上遥かにストレートレザーは現存したはずだ。

そりゃ、次々と出て来るワケだ。


片減り剃刀のワケ [剃刀 雑感]

ネット上に片減りしている剃刀をたまにだが見かけるので気になっていた。
どれも刃先の先側が減って刃幅が狭くなっていて、肩(刃尻) 側の刃幅が広く片減りしているのだ。因みに逆は見かけたコトが無い。

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( 片減り剃刀のイメージ )

刃線が傾いてきたり曲がってきたと気が付いたらサッサと直せば大変なコトにはならないだろうに、と、思っていた。

刃線が波打つなんてのは有り得ないし論外だが、たまに真ん中がヘコんだりで刃線が直線では無い湾曲した剃刀が有る。
そんなのは砥石の砥面が平面では無いからで、理由は分かりやすいし想像もできるが、問題は刃線の先端刃先の先、包丁で言う 切っ先 が研ぎ減って剃刀の刃線は真っ直ぐだが先に向かって斜めになってるのが使い込まれた剃刀に多い。
持ち主がシロウトだと不思議ではないが、プロが使用したであろう剃刀にも有ると感じられる。

何故か? 私なりに考えられる理由は3つ有る。

1つ目は、剃刀を研ぐ時の刃を押さえる指先の位置が刃先側にあり、刃先側を押さえる圧力が少しでも多くなればゆくゆく当然刃先から減る。

2つ目は、8の字研ぎと言われる研ぎ方などで、切刃が均一に砥面上を刃先と刃尻が同じ長さのストロークで研がれていない。手首を使い円運動で砥面をクルマのワイパーの様に剃刀を滑らし砥ぐと刃先が刃尻より速くて多く運動するので刃先が微々に減る。
また、キッチリ刃尻(刃元)を砥石に当てず8の字研ぎなどをするので当然刃先しか研げないので刃先が減るのは当たり前。

3つ目は、革砥でのラッピング時において、刃全体を革砥にピタリと当て平行にラッピング出来れば良いが、手首でコネてしまうと均一では無く刃先の運動が当然多くなりコレも微々たるがやはり刃先の先が減る。

私の様なシロウトが自分で使うために砥石に当て革砥でラッピングし使っていて片減りしたとしても、自分が納得した剃り上がりであれば問題は無いかと思う。

プロが仕事で毎日剃刀を研いでいれば刃先が減るのも早いだろうし、実際に剃ると分かるが刃先で剃ることが多く使っても刃先から3分の2辺りまでで刃尻は使わないから刃尻は切れなくても仕事でキチンと剃れれば良く、剃刀は消耗品と考えれば片減りも余り気にしないのかもね。

私はイヤだが。

剃刀の刃のドコを使うか [髭剃り]

実際のトコロ西洋剃刀の刃のドコを使って剃るのか?

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ってコトが大切で、自分で剃る場合は刃線の真ん中と先を使う、決して真ん中より刃尻側は使わないのだ。
顔は立体なので刃線全てが当たるような剃り方は無理だし、刃線の半分しか使わないのであれば、穴刀( あなとう、耳の穴の毛剃り用 )の様に刃先の2~3cmを使い後は刃を潰してしまう使い方も有りなのかもね。


西洋剃刀でも肩の辺りから3分の1ほど刃の部分を削り取って無くした剃刀も有るし、西洋剃刀の刃が短く半分しかない手の加えられたオリジナルも見受けられる。引き切りもしないし、細いトコを剃るのには刃先しか使わないし、長い刃線は必要無いのかもね。

プロである理容師も西洋剃刀の使用では刃線の先半分ぐらいしか使わないのではないだろうか。



革砥と皮砥 [革砥]

何度か髭を剃ると天然砥石と目白名倉で剃刀研ぎ直しをするが、それは革砥で付けた小刃を削り取り切刃のみにリセットするタメだ。( 切れない剃れないワケでは無く、趣味として剃刀を研いでみたいのだ )

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手持ちの革砥は#2000番と#30000番の2本のみだが、#2000番でのラッピングでは粗目の小刃が付き、#30000番だと細か目の小刃が付く。何方も5往復してマイクロルーペでチェックするが小刃の状態を見て後何往復するかを決めている。お気に入りは#30000番、見た目での大差は無いが極小の世界を覗くとシャレにならない大差が付いている。

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研磨粒度0.3ミクロンの研磨フィルムで切刃を鏡面状に磨くと同時に小刃幅をゆくゆく10ミクロン辺りになる様に調整する。

1本の髪の毛先側をつまみ毛根側から剃刀で指先から出た毛の5cm辺りをスパッとカットして見る、何時もの切れ味チェックだ。
左手で毛先をつまみ、その左上腕の腕毛の無いトコロの人間の皮膚、上腕の皮の “ 皮砥 ” で剃刀をゆっくり数回ラッピングすると恐ろしい程の切れ味となる。
切れ味チェックしつつ “ 皮砥 ” に当てるので、確実に切れ度が上がるのが分かるし、切れる切れない刃先の位置も分かる。

YouTubeにて理容のプロが革砥を使ってのラッピングや、手の平でカミソリのラッピング動画が見られるが、テンポ良く ものスゴいラッピングスピードだ。
素人が行うには、革砥を痛めたり 手だと大怪我しそうだ、ましてやあの様な手荒に見えるラッピングでは繊細な刃が均一に付くとは思えない。
動画用にプロテクはスゴイだろ的に張り切ってるんだったらパフォーマンスとしては分かるが、通常作業動作なら髭を剃られるお客が可哀想だね。

布、デニム、和紙、牛、豚、鹿革、ヌバック、あらゆる研げそうな最終磨き砥を使い試してみたがピンとこない、最終仕上げには感覚的にモノ足りないのだ。

人間皮砥の良いトコロは、上腕の皮膚の弾力と剃刀を皮膚に当ててる力加減を肌で直接感じられる。モノを使った最終仕上げとは絶妙なバランス感覚の点で大きく異なるのだ。

最先端に極小の小刃を付けて研ぎ上げるには、皮砥の繊細な最終調整に今の所代わるモノが無い。


ラッピングフィルム研磨の有効性 [研磨 砥石]

剃刀の刃には 包丁より幅が少ないが “ しのぎ筋 ” から一直線に “ 切刃 ” が付いていて、刃先には 革砥でラッピングして出来る “ 小刃 ” といわれる切刃よりも鈍角に付けた幅の極狭い先端刃が付いている。

厳密には切刃はラッピングフィルム研磨によりピカピカでも小刃先は革砥で付けた極々細いノコギリ状の刃となっているはずだ。

この切刃と小刃の相乗効果によって、切れ味や刃先強度が変わってくるのだ。

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そこで、切刃と小刃の幅調整のタメに ラッピングフィルム での研磨によって切刃幅を広げ小刃幅を極狭く10ミクロン辺りに調整出来れば130ミクロン辺りの髭にスパッと食い込み剃り上げることが出来る計算だ。

それを可能にするには、優秀な鋼をコレまた優秀な鍛冶職人が鍛えた剃刀が必要となるが。

刃の先端に年季が入り過ぎて先細りしていたり、変に片減りした西洋剃刀や日本式剃刀をネット上で見かけるが、西洋剃刀の両刃の先端から肩部まで、切刃の断面が一定の角度が保たれていることが良い剃刀の条件で、日本式剃刀でも同じく片刃で文字の刻印がある裏面に特徴的な “ 裏スキ ” があるが切刃の断面は一定の角度が保たれているのが良い日本式剃刀だ。

研ぎ癖の付いた剃刀は、付けた本人には愛着も有ろうが、そうなる前に研ぎの正しい技術を身に付けたいものだ。



究極の剃刀刃 [剃刀 雑感]

切れる刃物とはこんな感じだ、と言える明確なイメージが子供の頃から有った。

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子供の頃に読んだ横山光輝のマンガで、水滸伝に登場する半面青痣の「 青面獣 楊志 」が持っていた刀で “ 吹毛剣 ” ( すいもうけん )だ。銅銭を真っ二つに切ったり、髪の毛を剣に吹きかけるとそれだけで髪の毛が切れてしまうほど、切れ味鋭い名剣がイメージとして有るのだ。

剃刀を研ぎ始めた頃から切れ味チェックで髪の毛を使うので、私の頭の中には楊志が行った吹毛剣の切れ味が如く、吹きかけて髪の毛を “ ハラリ ” と、切ってみたく、イヤ切れるのでは無いか、と、何度か丁寧に研ぎ上げた剃刀に髪を吹きかてみたが、未だかって切れた試しが無い。

と言うより、実はなかなか髪の毛を上手く吹き飛ばせ無いのだ、そっちの方もカナリの練習とコツが必要だと思う。髪を吹き飛ばすタメには突風を生む筋力と肺活量が必要だとスグに気がつくはずだ。

楊志はマンガの中で自分の毛を一本引き抜き、フッ っと吹き、髪の毛もふんわりそよ風に漂うみたいに飛ばし、剣に触れた途端スパッと切れる、そう!ヤツは全てにおいて達人なのだ。

いつの日か吹毛剣の如く吹いた髪をスパッと切る、究極の剃刀の刃に仕上げたいものだ。


2015年 髭剃り [髭剃り]

新年、明けましておめでとうございます。

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刈り込み無精髭のように見える顎鬚が、20数年来顔の一部としてあったが、昨年の1月1日に髭を全剃りしてから本日で丸一年が経った。

昨年、ビジュアル的に雰囲気のあるエセ作曲家がヒゲを全剃り短髪にして記者会見に応じていた、ヒゲを全剃りしたコトで全くの別人タダのオジさんに、とってもカッコ悪かった。(CDを持っていただけに残念)

私はどうなんだ? その時に思った感想だが、髭を全部剃りこの歳で顔を曝け出すのは( 老けて見えたりして )得策では無いのではないか? などと思ったものだ。

しかし、ストレートレザー での髭剃りにドップリ浸かっている現状では、剃りたい一心で髭を残す筈もなく、顔はいつもツルツルピカピカだ。
夕方になって顎なんかを撫でるたびに剃るプラン考えるし、ゴルファーの様に他人の髭の芝目読んで剃刀の当て方考えたりする始末だ。

ダンディに髭を残す剃り方も有るのだろうが、2015年も迷わずツルツルピカピカに髭を全剃りしてゆく。

今年も、宜しくお願い致します。

髭剃り1000回 [髭剃り]

ストレートレザー と言われる西洋剃刀を使い始めて7ヶ月が経った。

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回数的に単純に毎日髭剃りをしたとして210回だが、実際は剃らない日、朝方時間が無くT字カミソリで剃った日もあるので計180回程か。
年に300回 ストレートレザー で剃るとして、人様に剃り方研ぎ方扱い方云々を語れるのに1000回は実経験が必要と考えている。と、すると後3年近くはかかりそうだ。

なぜ、1000回かと言うと、総てに対して私自身が “ 何事も1000回試行錯誤を繰り返し行い続ければクダらない疑問は無くなり真の問題や壁が出てくる ” と思っているからだ。

私の経験からして真剣に注意深く取り組み1000回続けていれば、よく耳にする “ 壁 ” と言われるモノは全て勝手に越すだろうし、適当な高さのハードルなんてカンタンにピヨ〜ンだよ。

今から1000回剃り終わった時に持つ疑問が楽しみだ、どんな次元の疑問だろうね。

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実際はYouTubeやググるコトも多くNET検索は現代の生活では必須だし、解決が早い。大抵どのようなコトも知りたければ何でも直ぐ分かるイイ時代だ。

この7ヶ月髭剃りに真剣に取り組むコトで確かに自身で解決した疑問や気付いたコトが多くあり、続ける大切さを実感しながら、愉しく来年もこれからも髭を剃ってゆく。


玉鋼の西洋剃刀 [髭剃り]

5カ月間スウェーデン鋼で ホローグラインド ( 逆蛤 ) の1000 H.DIAMONDを使って剃り、BEST STEELと刻印された完全ではないが フラットグラインド ( ベタ刃 ) の 300 SANKAN で2カ月間剃ってみた。両方共に同じくよく剃れるし、剃り味は違うが問題は無い。

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ソロソロ次の西洋剃刀を試す頃となり、800 DAISHI をキレッキレに研ぎ上げてみた。

見た感じでは、刃は鋼材を貼り合わせたモノではなく総てが玉鋼で出来ているみたいだ。両刃でやや厚めの逆蛤、総玉鋼となると、なんともワクワクするね。人工砥石KING#6000で研ぐと今までとは違う暗灰色の研ぎ汁が出てくる。天然砥石、革砥、ラッピングフィルムで丁寧に仕上げた。

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刃先の先がコレまたエッジが立っていてキケンなので丸めて見た。

800 DAISHIは刃もチビり刃角が20度を手持ちで唯一越えていて、2カ月使用した刃角が15度ベタ刃の300 SANKANとは5度近くも鈍角になるので、切れ味は期待してはいなかったが、髭を剃って見ると、ビックリ!ものっスゴク切れるし剃れる。
大袈裟に言うと トコロテンがごとくスルスル髭が剃れるのだ! 研ぎ刃が良いのか?鋼材のおかげか? 腕が10倍上がったような気がする。

コレからが楽しみだ。

訂正
800 DAISHI の刃の鋼材は 確かにYASUKI鋼ですが、玉鋼 では有りません。
2015/8/5

プレゼント [髭剃り道具]

我が家の女子達からクリスマスプレゼントをもらった。

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ソープとボウルのセットとシェービングクリーム、アフターシェーブバームがロクシタン ( L'OCCITANE ) の手提げにピンク色の柔らかい紙に包まれて入っていた。

ロクシタン オムは、“「Voyage des Sens(五感の旅)」というコンセプトで、健康でしなやかな、若々しい肌へと導き、大人の身だしなみを整える ” と ある。

なにー 是非!その様になりたいので お願いしたいモノだ。

このCADE ( ケード ) シリーズの、アフターシェーブバームは微だが品のよいヒノキの香りだ。良く見かける檜の芳香剤フレグランスや入浴剤とは全く別モノでアロマ系の独特な大人の雰囲気が漂い、ジンわりとくるセンスの良い香りだ。

シェービングにどっぷりハマっているおかげで我が家の女子達はプレゼントを見つけやすかったみたいだ。

サンキュ!!

旅のシェービングブラシ2 [髭剃り道具]

正しい使い方が分かりって、大変お気に入りとなった 旅用シェービングブラシは、半年程前にパリのギャラリー・ラファイエットで買ったモノだ。
旅先でブラシを乾燥させるのに ぶら下げるフックをチョイと取り付けてみた。このブラシには専用ブラシスタンドが無く、旅先では紐を付けてぶら下げている。
(ブラシを傷めないために毛先を下向きにして乾燥させなくてはならないのだ)


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以前にも紹介したが、フランスの Novex (ノベックス)というブランドで BLAIEAU VOYAGE (ブレロ ボヤージュ)が商品名。Novexはパリ市内11区に工房があるシェービングブラシメーカー名、ブレロはフランス語でアナグマのコトでボヤージュだから、“ 旅する穴熊 " を、旅や出張に連れて行ってる。
(このシェービングブラシの毛はバジャーと呼ばれる穴熊の毛で出来ている)

新宿伊勢丹men's館1F のシェービンググッズ販売コーナーにも、メーカー違いだが全く同じギミックで同じ見た目のモノが売っていた。

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大小イロイロとフックを試し取り付けてみた、シンプルだがキレイに仕上がったので我が家の女子達にお披露目した。
“ ホテルのバスルームだと、ぶら下げるのに Sカン 的なモノが必要、単独ではムリじゃな〜い ” と、言われ、たて続けに “ シェービング中にブラシを立てられないのでは? ” と、致命的一言。 むむむむ〜確かに!

そうカンタンには上手くは行かないものだ。


ラザーリング [髭剃り]

言葉として知ってはいたが、ラザーリングは奥深い技術なんだと最近気付いた。

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Parisで購入の旅用シェービングブラシは毛先が柔らかく使うと一度で毛が絡み合い団子となって使用後の手入れに難儀していた。自宅用KENTのメインのシェービングブラシは毛がシッカリしてるので全く絡まないし極めて良好なのにだ。

“ 柔らかい毛のシェービングブラシを買ったのは失敗だった、こんな柔らかい毛のブラシを使う人などいない、いやコレは不良品だ ” ぐらいに考えていた。

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実際は考えも含め私の使い方が間違っているコトが判明した。この旅用ブラシのポテンシャルが分からなかったからだ、と言うより今までシェービングブラシの使い方のマニュアルやレクチャーなど無かったし、調べても出ていないので知らないし分からなかったのだ。硬い毛のKENTブラシと同じ扱い使い方をしていたのだ。

ソープを付けたシェービングブラシで顔をガシガシ泡立てるのではなく、シェービングカップでのキメの細かい泡作りの時から優しく毛の長さの半分ぐらいを使い泡立てる。顔にはブラシの毛先のみを使うイメージで円を描くように毛先の弾力を感じるぐらいの繊細なチカラ加減でラザーリングをするとキレイに細かく泡が立ちクリーミーな硬いタレない泡をブラシの毛が絡まず得ることが出来る。
今まではシェービングカップでガシガシ泡作りし、顔面上でもガシガシ泡立てておこなってたから繊細な柔らかいブラシでは絡まるワケだ。

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やっとコノ柔らかいブラシの使い方が分かった。ブーブー使う度に文句言いながらも使い続けて良かった、正しい使い方に気付くのに5ヶ月もかかったが、おかげで柔らかいブラシがこんなに良いモノだとは今更ながら分かった。



間違っても柔らかいシェービングブラシで顔の上をガシガシ泡立てる様な不粋なラザーリングはしない様にね。


研ぎ水 [研磨 砥石]

以前知った “ 砥石での研ぎ水には重曹を溶かした水を使う ” で、その時に何故か?と思い調べると重曹は弱アルカリ性なので中性の水より酸化させない、研いでいる最中に錆が生じる現象を防ぐ。と自分なりに考え結論したが、何かと話題の 重曹 をより詳しく調べた。

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炭酸水素ナトリウム (sodium hydrogen carbonate)、別名 重炭酸ソーダ(sodium bicarbonate。略して重曹) は常温で白色の粉末状で、水溶液のphは8.2辺り 水 (0 °C) 100 g につき 6.9 g、水 (20 °C) 100 g につき 9.6 g 溶解する、つまりあまり溶けないのだ。
調べるといろんな使い方が出来る 重曹 だが、要は剃刀研ぎに錆止め用 重曹水 は安くて便利で安全ってコトだ。

日本刀研磨においても研ぎ水は重曹では無いが、洗濯ソーダとも呼ばれる炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム、炭酸塩))を溶かした研ぎ水を使っているらしい。昔の刀研ぎには錆防止のために灰汁水(アルカリ性)を使っていたみたいだ、藁を焼いて灰汁を採り刃に付いた脂肪を洗い落とすのにも使っていた。

( ソーダつながりで、石鹸作りに使う苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は強アルカリのため中性に戻し廃棄するのに大量の水が必要なので研ぎ水としては使わないのが賢明だね)

研ぎ水を今は 重曹水 に加え キッチン洗剤を垂らしている。泡立てるワケではないが、刃に付いた皮脂汚れを取り砥面との摩擦を減らしより繊細な刃先作りに一役かってる、両方共弱アルカリの重曹水と洗剤なので研いでる最中に錆びないし効果、効能、結果はバツグンだね!


刃先の角度 [剃刀 雑感]

以前、保有する西洋剃刀5本の刃先をマイクロスコープでチェックした時に切刃幅の違いについて疑問に思ったので検証してみた。

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5本とも製作所違いで刃厚が違うし、使い込み度で刃幅と峰の厚みが変わったり違ったりは当たり前だが、手持ちのモノは280ミクロン内 で切刃幅に差がある。と、いうコトは、革砥を当てて糸刃を付けた刃角は考えないとすれば、切刃の刃先角度はみな微妙に違うコトになるよね。
刃先の角度は金属板とデジタルノギスの数値を三角関数にて求めた。刃先には薄いがセロハンテープで養生したので誤差調整しても多少狂いが出たと思うがほぼ正しいだろう。

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*左から
1000 H.DIAMOND 19°02’
300 SANKAN 15°38’
800 DAISHI 20°24’
CAPE NT−77 19°47’
岩崎 3M トキワ 19°17’

他の刃物をググって、日本刀や包丁などと比べても剃刀の刃角は鋭角で20度前後だった。

300SANKANの斗出した数値は他と違う唯一のベタ刃によるものなのか、刃は重いが峰厚は少ない。1ヶ月ほどコレばかり使って剃っているが刃角の少なさは全く感じ無い、ベタ刃なので逆に刃先の厚みを感じる。

800DAISHIのオバー20°は、この西洋剃刀の特性もあるのかも知れないが、見るからに新品の状態より研ぎ減りしている。西洋剃刀を普通に研げば峰より先に刃がチビって行く構造だから何年も使って行けば当然だが刃はチビって峰には厚さが残り刃角は大きくなる。この800DAISHIもそんなトコかもしれない。

刀や包丁は引切りをするために長い上に刃も湾曲し峰が反っていたりしているので、引切りすれば剃刀以下の鋭角な刃角になる場合があるが、刀は硬い骨なども切るので34度前後、包丁は24度前後でモノによってはそれ以上だ(小刃角は別)。剃刀は引切りをしないし硬いモノも切らないので最初から鋭角で薄い刃が付く。刃物の中で剃刀は良い鋼材のモノをキッチリ研ぐとズバ抜けて切れる。

日本刀研磨には 観賞用に磨き上げる意味合いと他に “ 寝刃を合わせる ” という言葉がある。キレイにピカピカに研ぎ磨き上げた刀をワザと刃先をザラつかせる磨き方をする。その方がより実戦的に良く切れるモノになるらしい。

西洋剃刀もそうだキレイにピカピカに研ぎ磨き上げた刃先を革砥に当てて刃先を荒らし小刃を付けるコトにより刃角を大きくし刃欠けに対処する。剃刀研ぎには髭を剃るという常に実戦的な切れを求められてる。
ましてや結果は自分に直接跳ね返ってくるワケだから気が抜けない、いつも実戦配備真剣勝負だね。

試行錯誤を繰り返し実戦研ぎをしているワケだから剃刀研ぎが上手くなるのは当たり前だ。



世田谷ボロ市 [剃刀探索]

430年以上も続き、出店数700店、数十万人(昨年35万人)が訪れると言われる世田谷ボロ市の2日目雨降り午後、行こうか迷ったが人も少なかろうと 西洋剃刀探索 に出掛けた。(毎年12月15.16 , 1月15.16開催)
当初は楽市から発展したらしいが、昭和の最盛期には約2000店 見世物小屋もあったみたいだ、現在はツアー観光バスもやって来る有名な ボロ市 だね。

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20時まで開催とのコトで15時ぐらいに寒い雨の中ボロ市到着。確かに人は少ないが店も少なかった。そりゃそうだ小さいテントじゃ商品はびしょ濡れだし、テントが無きゃ商売は無理だね、どこの青空骨董市も雨天は中止なはず。


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少ないとは言え200店以上は開いていたが、雨で暗くなり早々に店をタタンでいるのをあちこちで目にした。そんな中で目ぼしい店を覗いてまわった。


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和装着物、和、洋骨董、ガラクタ、など通常骨董市で見られるモノの他にココでは、新品のモノも多く、神具や杵臼、刃物と工具、何でもある。酒、食べ物の露店がカナリ有って、寒いので助かるだろうが何処も閑散としていた。


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新品刃物屋で尋ねるとナント新品の日本剃刀が出てきた。店主は箱から出して日本剃刀を包んである薄紙をおもむろにバリバリ破って、ホラって 見せてくれた ( オイオイ!そりゃ破っちゃいかんだろ〜! 心で叫んだ ) 店主にアレコレ尋ねたが剃刀にあまり知識が無いみたいだった。手に取り眺めてると最初に付けた値段からいきなり60%OFFになったので高くは無いが、この店主とそこから交渉して買うのがイヤになった、ちなみに同じモノが5箱有った。

日本剃刀 つらゆき  を 家に帰ってググる と。
兵庫県三木市にて、日本剃刀作製者として一時期世界でただ一人となっていた、日本剃刀専門55年以上の鍛冶職人 市原清隆 氏が作製 する完全な火造り鍛造の日本剃刀銘「つらゆき」だ。
しかし、市原清隆さんが体調を崩されて作製出来なくなり入手が困難となっていた。このままでは無くなってしまうのかと思われた日本剃刀だったが、同じ播州打ち刃物鍛冶歴50年以上の職人、水池長弥(みずいけ おさみ)氏 1945年生まれ 代々続く 鋏 鍛冶の四代目。ある問屋さんの依頼を受け日本剃刀造りに挑戦。約4年前から本格的に製作し見事に鍛え復活させた。
切れ味の良さはもちろん刃裏が深くすかれた剃刀は研ぎやすく使いやすい、適度な重みがありその重さを使って髭を剃る、その剃り跡は驚くほど滑らか と、出ていた。

今回手に取った日本剃刀は当てにはならないが古いもだと言っていたので、市原清隆 氏作製 の「つらゆき」かも、あまりにもシンプルでキレイすぎたためピンと来なかった。どちらにしても日本剃刀を試すにはもってこいだったな〜手に入れておけば良かった〜


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砥石を売っている店では刃物も扱っていて大き目の左用切り出しも有り、波線を出す研ぎ方や剃刀を砥石に当てるコツなど、砥石の産地、用途説明など試し研ぎしながら丁寧に教えてくれた、閑散として人も少ないので店主も話相手と店先に客寄せ人が必要だったのだろう、ラッキーであった。

お目当ての西洋剃刀探索は不発であったが、初めてちゃんとした日本剃刀を手にした、砥石の話も聞けたし寒い雨の中行って良かった。

髭軟化剤 [髭剃り]

シェービングの調べ物をしていたら “ 髭軟化剤 ” なるモノが床屋にはあるらしいコトが分かった。
ナントも魅力的なヒビキではないか、イメージ的には髭を柔らかくクネクネプヨンプヨンになるのかな?ワクワクするでは無いか。

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調べてみると、どうやら以前浅草橋界隈の理美容問屋街で買った、シェービングクリームのコトらしい。
なに! それなら2本も持っているではないか。巷のシェービングコーナーに売っているシェービングジェルなども “ 髭軟化剤 ” 言うのだそうだ。以前ジレット製T字5枚刃をメインで使っていたときに毎回使っていたモノだ。てっきり刃の滑りを良くしてスムーズに剃る為のスムーサーなんだと思っていた、そのジェル自体が、 “ 髭軟化剤 ” の部類なのだが、モノの商品名からでは心への ヒビキ が違うね。

調べると、「 髭を含む体毛は水分を含むと約40%膨張し、やわらかくなり切断されやすくなる 」 と、出ていた。
乾燥しているこの季節、肌荒れやカミソリ負けを防ぐ策として、肌にも潤いが必要だが髭を潤わせ切断しやすくするためにも “ 髭軟化剤 ” で髭を剃る前にシッカリとしたプレシェーブを行うコトが大切だね。

髭の切り口 [髭剃り]

髭剃り跡の青さはある程度日焼けしていれば気になら無いが、冬のこの時期は肌の色が白くなるワケで、つまり剃り跡が青かろうが赤かろうが一番目立つ季節なのだ。
そこで、髭の切り口がどの様にカットされてるかでより目立ち方が違うのではと以前から気にはなっていた。

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まず、毛流通りの “ 順剃り ” では斜めに髭をカットするため正面から見て毛穴に対して髭の断面積が一番大きくなり黒々と目立つ、コレが青くなる原因で少し髭が伸びても濃く見える。ザラつきは酷くてチョイ伸びれば下し金が如くだ。

次に、順剃りの後にヒフを毛流れと逆に引っ張り毛穴を平に広げ髭を立たせての “ 逆剃り ” をすると髭先はクサビ状となり断面積は順剃から単純に考えれば見た目半分となるはずだ。

その上、髭を左右から剃ればイメージ的に髭先は細く尖り四角錐となり毛穴に埋もれ、髭先が細いため青くならずに一番目立たなくなる、その上確実にザラつきも無くなる。


USB顕微鏡200×を髭肌にくっ付け 剃り前、順剃り、逆剃り、左右剃りと4パターン逐一PC画面でチェックしてみた、確かに順剃りだけでは話にならず、逆剃りでもまだまだ感が有り、左右剃りでやっと毛穴に埋もれヒフも ツヤツヤすべすべ となった。順に剃れてゆく画像をお見せしたいのだが、とても見苦しく恥ずかしいので残念ながら止めておくが、是非、自分の目で拡大チェックしてみて欲しい、感動するハズだ。

映画やドラマで、暖炉の上やテーブル、仕事のディスク上に幸せそうな笑顔で頬寄せ合う顔のアップの家族写真やカップルの写真がフォトスタンドに入れられて飾られているのを見るが、頬をくっつけたいなら髭をキチンと剃らなくては、頬寄せられた彼女や子供はチクチクして笑顔どころじゃ無くなる写真となるハズ。

幸せ写真を得るには確実な髭剃りが紳士たる者の条件だね。


剃刀の持ち方 [剃刀 雑感]

髭剃りスキルを上げる為にYouTube先生で手順など見直ししてると、剃刀を右左の手に持ち替えたり柄の角度を変えてみたり顔を器用に使う人がいて、それぞれの剃り方で正解はないんだなぁと思う。
私は剃り始めから剃り終りまで剃刀を持つ手は利き手の右手一本なのだ。

西洋剃刀は両刃なので刃の裏表を手首の返しのみでほぼ剃り終わるが、順剃り逆剃りを丁寧にしようとすると、刃の裏表を使うために何度か剃刀を持ち変える必要がある。

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持っては無いが、片刃の日本剃刀は片刃包丁のように右利き用と左利き用があるのかな? 思うに片刃だと裏表で肌に当てた感覚は当然違うだろうし、厳密にはモチロン切れ味剃り味も変わるのだろうね。

刃角だけで見れば表と裏で測っても同じだから、切れ味剃り味は表裏どちらでも一緒ってコトになるのかな?

他人様の髭をアタル理容師は片面だけで剃り上げるコトが出来るだろうけどね。
日本剃刀の刃に銘を刻印してある方が裏( 裏スキって言うし )として、どちら側を肌に当てるんだろうね? 包丁的に考えて見れば刻印の有る裏側を肌に当てるのだろうけど、日本剃刀は右手で持つと刻印の無い表側を肌に当てるんだろうね 、そっちの方が剃れそうだし。

日本剃刀式が世界的に普及しなかった理由というのが、片刃であるコトや柄が無く刃がムキ出しだからか? きっと他にも理由があるんだろうね。

片刃の剃刀って使い心地などとても気になるね、いつかは試したいモノだ。

両手剃り [髭剃り]

髭を上手に剃るポイントは、髭の生え方と毛流を把握するは重要なコトだね。
髭が伸びた辺りを手で触れば、髭の抵抗が無い方向とザラっとヤスリの様な手触りの方向がある。口髭も顎髭も頬や首筋までも髭が自然と生える方向つまり毛流がある、ソレも左右対称では無かったりするから厄介だ。

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自然な毛流を知れば肌には優しい “ 順剃り ” を行うことが出来るのだ。モチロン、髭をキレイに剃り上げ肌をピカピカさせるキモとなる “ 逆剃り ” での深剃りが出来るのも毛流れを把握しているからだ。

それと、ピカピカキレイに剃り上げるコツは剃刀を持たない手の使い方で、毛流れとは逆にヒフを引っ張るコトでヒフを平に張らせ毛穴を広げて、肝心な髭を立たせて剃り上げるコトが出来る。それにより深剃りしてもヒフを荒らすことは無く、カミソリ負けも防ぐコトが出来るのだ。

“ 逆剃り ” は、両手を使って髭を剃るべき。(床屋でも必ず両手を使うし、剃刀を動かさずヒフを動かして剃ったりもしてるよね)

上手に剃れても時間が経過した分髭が伸びる、次はもっとってツイ考えちゃうんだなぁ。


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